(6/26 ”開成町、観光客数伸び悩み? その1”の続きです)

足柄地域や神奈川県全体の入込観光客数はどうなっているのか、統計を確認してみました。

※ひとつにグラフに収めるべく、単位を変更していますので、原データ通りではありません。

神奈川県全体、足柄地域の市町のいずれも東日本大震災発生後に急減したが回復。その後の推移は各市町まちまちですが、開成町に関しては、急減前の水準に戻し切れておりません。特に、平成23年度以降の訪日外国人急増の流れと比べると、残念ながら神奈川県全体と同様に“伸び悩んでいる”との表現が当てはまります。

○開成町の入込観光客数を伸ばすには?
開成町にお越しの観光客の主たる層は、日帰り圏にお住いのシニア層と思われます。シニア層は今後2042年まで増加の一途とされ、これはこれで重要であり、拡充を図るべきだと思います。

ただ、観光客数全体の底上げのためには、やはりいずれも増加中の訪日外国人と在留外国人の取り込みが不可欠です。そのための施策として考えられるのは、
・月並みですが、団体客の取り込み(電鉄会社やバス会社ともタイアップした旅行代理店への営業活動。瀬戸屋敷駐車場が拡大予定のため、期待は膨らみます)
・公衆無線LANサービスの提供(訪日外国人の不満ランキングでその不備が常に上位。トリップアドバイザー等々での口コミ情報を増やす効果も期待)
・観光イベントのホームページの多言語対応。町内の案内版等の多言語表示。
・観光拠点現地での多言語対応のスタッフ配置(こちらも訪日外国人の不満ランキングで常に上位、”言葉が通じない・・・”。語学堪能な学生の積極登用でイベントへの多世代参加も促進)
・レンタルを含む自転車利用の観光客への対応強化。(南箱道路が開通予定も大型観光バスはまだ通行不能とされる中、(開通記念として)自転車での誘客を図るアイディアはいかがでしょう)

○連携
対象を特定しない対策としては、近隣市町(の観光協会)との連携強化がますます重要になりましょう。
松田町は観光協会を一般社団法人化、箱根町は4月“箱根DMO”を設立と、観光業に一段と本腰を入れ始めており、“相互にメリット”があれば連携に前向きになっていただけるのではないでしょうか。まずは宣伝活動を点ではなく面・地域として推進、ポイントラリーなどの仕掛け、観光拠点間の移動手段拡充などから。

話題性としてはやはり南箱道路の開通を最大限活用する手が考えられましょう。新東名高速道路の山北スマートIC(2020年供用開始予定。上り線は入り口のみ、下り線は出口のみに限定)に関しては、山北町や静岡県小山町、御殿場市東部には当然相応の経済効果が期待される。
ただ、東名高速道路 大井松田ICを最寄りとする大井町、松田町、開成町、南足柄市にとっては、山北町方面への回遊プランにてプラスの効果も想定されるものの、東名高速道路から新東名高速道路へ利用者が流れる見込みであること、且つ足柄上郡には新東名高速道路のICがないことに因るマイナスも同時に想定され、全体としての効果を引き出すためには創意工夫が必要になると考えられます。