官と民の連携における新しい事業の手法が広がり始めました。成果に応じて対価を後払いする仕組みで、「ソーシャル・インパクト・ボンド」と呼ばれるものです。

情報誌日経グローカル9月号でその特集が組まれており、取り組む意義の大きさなどに個人的に非常に興味があり、且つ開成町のような小規模自治体でも導入できる環境が整いつつあることから、取り上げさせていただきます。

○ソーシャル・インパクト・ボンドとは?
ソーシャル・インパクト・ボンドは、”民間の資金やノウハウを活かして社会的課題の解決を図る、と同時に行政コストの削減も狙う仕組み”です。人口減少と超高齢化が加速し、自治体の財政状況が厳しさを増す中、国もその推進に力を入れております。(経産省の資料はこちらから)

ここで言う”社会的課題”とは、がん検診受診率の向上、生活習慣病の重症化予防、認知症・介護予防、健康寿命の伸長、就労支援、生活困窮者支援、起業支援などを指します。

仕組みとしては、“行政が業務の委託先に支払う金額が、事業の成果に連動する”というシンプルなものです。以下に、参加主体やそれぞれの役割などを整理してみます。

○参加主体と役割
SIBの体制と参加主体は以下の通りです。
行政:社会的課題の解決につながる業務を、それぞれ専門分野におけるノウハウをもつ民間企業やNPO等に委託。行政コストの削減が狙い。都道府県や基礎自治体などが該当。
・サービス提供者:行政から業務を受託し事業を実施。NPOなどの非営利団体や民間企業などの営利団体などが該当。
・サービス対象者:受益者である住民。
資金提供者:サービス提供者が事業遂行にあたって必要とする資金を提供。個人(含む寄附)、企業(含む寄附)、財団、金融機関などが該当。
中間支援組織:案件の組成や運営・管理。NPOなどの非営利団体、民間企業などの営利団体などが該当。
第三者評価機関:事業の成果の達成度合いを客観的・中立的に評価し、行政に報告。大学や監査法人などが該当。

次回以降、具体的な事例を紹介させていただきます。