昨日は、大学院”E-ガバメント”の今期最終講義。講師はソウル市職員から転じ、佐賀大院博士課程を修了、青森市情報政策調整監や佐賀県情報課情報企画監などを歴任という異色の経歴をもつ韓国国籍の現IT企業社長。

最初に読まされた課題図書は「超入門 失敗の本質」。日本人の思考法、組織論等々に関し、現在の特に経済界の課題につながるところはないか?との課題提起。1度読んでましたが、その視点で読み直すと示唆するところは多く深い。

これまでもIT活用による生産性の向上や新たなビジネスの実例を多く紹介いただきましたが、最後の講義でも昨日まで実際に作業していたホットな実例をひとつ。

熊本県のスイカ農家のふたつの悩み①作物の盗難防止、②温度と湿度管理の効率化に対する解決策。実際の手法は、①赤外線センサーの設置、②温度・湿度さらに一酸化炭素・二酸化炭素・照度をモニター&データ蓄積できるセンサーの設置。それを一括してスマホでモニター。

格別画期的とも思えないが、ポイントはふたつ。まず、初期投資の費用が滅茶苦茶安い。ビニルハウス17棟に対してセンサー70個とルーター1個のプランに日本の某ITゼネコンの見積もりは億単位だったのに対して、数十万円(中国から取り寄せ)。この格差、過剰品質+α。

ふたつめはデータの集積と活用。生育の良し悪しや品質(≒価格)の良し悪しと温度・湿度・照度等との関係をデータ化し、今後の栽培方法や各条件の管理方法に活かす方針、向こう1年間はデータ収集期間と位置付け。

既に他の地方、他の作物でも取り組み事例あり、このモデルが拡がる潜在的な可能性は十分にあるとの読み。個人的には明日からでも着手したくなるほど興味深い内容でした。

今月下旬には講師と生徒数名で韓国を実際に視察。『韓国のIT活用がどれだけ進んでいて、日本がどれだけ遅れているかを見せてあげる(駅、病院、役所等そして一般家庭)』とのこと、期待大。

ただ、『日本の国会議員さんや役人さんもあちこち連れていって説明し、ショックを与えることはできたけど、実際はなかなか変わらないね 苦笑』との補足。

いずれにせよ初めての訪韓。楽しみです。