3月21日付日経新聞によれば、大学キャンパスの首都圏郊外から東京23区内への移転が相次いでいる。郊外にキャンパスを有する大学の志願者の減少が背景。過年度に移転済の東洋大や東京理科大では志願者が如実に増加したことも追随の一因と言えましょう。
政府は人口等々の東京一極集中を回避するため、23区内の大学の定員増を認めない法案を可決済みであり、同じく23区内のワンルームマンションの建設を制限するなど手を打っておりますが、効果が出ているとは言えない状況です。

東京一極集中。地方では少子高齢化・人口減少が進行、経済的衰退への懸念もより深刻になりつつあると認識しておりますが、この流れまだ継続中です。集中がさらなる集中を呼ぶ、バンドワゴン効果が働いている感じです。

東京が元気であることが日本全体を元気する、と東京一極集中の是認派も少なくないですが、やはり偏り過ぎだと思います。30年以内に70%の確率とされる首都直下型地震にて想定される被害の拡大、保育所不足等に因る出生率のさらなる低下、通勤・通学時の混雑激化とそれらに因る精神的ストレス増加、そして地方との格差拡大 等々、リスクとマイナスは小さくないです。

さらに、一票の格差に因る選挙区合区が一段と進めば、大都市寄りの政策がより重視される恐れもありましょう。

大都市圏外の基礎自治体が人口減少・少子高齢化に歯止めをかけんと、様々な施策を打つも、その効果を簡単に帳消しにして余りあるレベルの話。私立大学も生き残りをかけており、致し方ないとも思うが、何とも言えない虚しさを感じます。

ただ、行き過ぎたバブルの様相であるのも確かでしょう。相場の世界にこういう言葉があります。『野も山も皆一面に弱気なら、阿呆になりて米を買うべし』、『人の行く裏に道あり花の山』。政治・行政と相場は違いますが、10~20年後、振り返れば、あの時は地方に投資すべき局面だった、と言える日が訪れるかも知れません。虚しいけど、前向きに行きましょう!