3/24(土)、シンポジウム”若者による足柄平野からの新たな農業ビジネスモデルの創造”(@山北町(株)トヤマ。主催:足柄平野一円塾)に参加しました。
(ビジネスモデルの詳細は、過去のクラウドファンディングのこちらと、ホームページから)

まず、ROOTとはRemote Observation & Operation Technologyの頭文字をとったもの。”消費者が、生産に参加する新しい農業”で、”利用者は、世界中どこからでも、自分自身の農作物を管理し、楽しみながら、育てることができる”というビジネスモデル。

モデルを簡単に説明すると、
・(耕作地から離れたところに住む)利用者は区画あたりの会費を支払い。
・日頃の畑の管理は、岸さんはじめ地元の農業従事者が行う。
・利用者は通常アプリを通して耕作物の成長をモニター。将来的には、自らドローンを遠隔操作して畑を観察できる仕組みも検討中。さらに、既に技術的には可能とのことだが、土をいじった触感や収穫物の匂いを嗅覚で味わえるようなソフトも導入したいとの意向。
・そして、利用者は時々、耕作地を訪れ、自らも作業。
・収穫は自ら行う、配送で受け取る、市場で販売などの選択あり。

モデルを開発したのは南足柄市出身・在住の岸圭介さん。小田原高校(野球部!)→東大→休学して北海道の牧場勤務→復学・卒業後 新日鉄勤務→農業 ファームオアシス勤務→英オックスフォード大学経営大学院にて経営学修士を取得→昨年帰国、足柄地域で農業開始! 普通ではなさ過ぎる経歴、憧れます(笑。私の人生も普通ではないと自覚してますが、レベルが違います!)

彼の着眼点は、
①都会に住む人でも農業や土いじりに興味がある人は少なくない。実際に都心の貸し農園では、年間の賃料10~20万円でも満員、空き待ちの状態。
ただ、現役世代は興味はあっても割ける時間は限られるため、日頃は人に任し、時々自らも土をいじり、収穫の楽しみを味わうというスタイルに一定のニーズがある。”時々訪れる場所”として、都心から1時間の足柄地域は最適。

②ROOTは小規模農地の方が向いている。小さな農地が散在する日本の農業全体の活性化につながり得り、雇用の創出や地方の農業を通した活性化にもつながる。
点在する耕作放棄地にも対応可。

既に大手企業から受賞や支援を受けているが、企業側の狙いは実は多様。鉄道会社は沿線の魅力向上や多様なニーズへの対応、農業関連企業はイノベーションを通した農業の活性化、他に起業家支援による社会貢献的なものもあるとの印象。
南足柄市で試験的に開始しているが、手応えはある模様。開成町でも私の耕作放棄地(私としては、放棄ではなく断念の方が近いですが)で開業予定。契約面も役所等に相談の上、準備完了。

まずは耕作地の確保、軌道に乗れば労働者の確保などひとつひとつ課題をクリアしていかなければならないが、彼の熱い思いと志の高さ(この日のプレゼンでも日本の農業の将来について熱く語ってました)、そして若さと底知れぬ体力をもってすれば必ずや地域の発展に寄与してくれるはず。

最後に、この日のシンポジウム開催にあたって、(株)トヤマの遠藤社長はじめ社員の皆様方に多大なるご協力をいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。ありがとうございました!