「 外国人 実習後に就労資格。最長5年 本格受け入れ 」(4/12付け日経新聞他)。政府は2019年4月にも、外国人労働者向けの新たな資格「特定技能(仮称)」を新設する方針。技能実習生にさらに最長5年間の就労の道を開き、通算で最長10年の労働が可能となるもの。

農業や介護、建設など人手不足の業界が対象。介護職員は2025年には約38万人不足する見込み。一方、外国人労働者は約128万人(平成29年10月時点)。前年比約19万人増加、5年連続で過去最高を更新。(厚生労働省「外国人雇用状況」概要版はこちらから)
 このうち、技能実習生は約26万人。対象国はベトナム、カンボジア、インド、フィリピン、ラオス、モンゴル、バングラディシュ、スリランカのアジア諸国のみ。
技能実習制度に関して、学んだことを母国に伝えるとの前提は維持されるため、新資格は一旦帰国後の再来日を要件としたり、合計10年の在留となっても永住権は取得できないとしている。本格的に移民を受け入れることを意図するものではないが、少子高齢・人口減少等による労働力不足を補うために、外国人労働者の本格拡大に舵を切る措置と言える。

外国人労働者の半数以上が集中する東京・愛知・大阪・神奈川・埼玉などの都市部に関しては尚のこと、程度の差こそあれ都市部以外でも、外国人との共生がますます重要な課題となってくる。居住外国人が顕著に増加する状況を想定し、いかに日本人コミュニティに受け入れていくか、日本語教育や子どもたちの学校教育をいかに運営していくかなど、今から対応を検討しておく必要がある。

日本人コミュニティは”異文化”や”言葉の壁”を時にネガティブにとらえる傾向があると認識している。しかし、20~30年後の一段と人口が減少し、労働力を外国人に一層依存せざるを得ない状況を想定し、敢えて現時点から積極的に受け入れることによって、融和への取り組みに先んじて着手すると同時に、外国人向けのビジネス(教育、飲食店等々)で地域の雇用創出や人口増・税収増を図る自治体が現れてもおかしくないと考えられる。