9/25(火) 健康保険組合連合会の発表によれば、平成29年度決算において、1394の健康保険組合のうち、全体の42%にあたる580組合が赤字となりました(プレスリリースの内容はこちらから)。204の組合が保険料を引き上げ、全体でも10年連続して上昇したが、赤字組合の数は39増えたとのことです。

<厚生労働省HPより>

健康保険組合は国からの補助はなく、独立採算で運営。赤字の主因は、保険料収入の4割以上に上る高齢者医療保険制度への支援金とされます。

財政状況の悪化を受けて、大型組合の解散も相次いでいます。加入者数約50万人の人材派遣健康保険組合が来年3月の解散を決め、”協会けんぽ”へ移行することになります。保険料率が、国からの補助を受ける”協会けんぽ”の平均保険料率10%を超えると、単独で健康保険組合を維持する意義が乏しくなり、協会けんぽへの移行が進むというわけです。結果的に国から協会けんぽへの補助金が増加し、現行の仕組みを維持するためには、何らかの形で国民の負担(窓口負担割合の引き上げ、保険料引き上げ、増税等)が増えることになります。
医療保険制度の設計については国が責任をもってやっていただけるものとして、基礎自治体としては住民の健康寿命の伸長や、生活習慣病の重症化の予防などにより一層積極的に取り組まなければなりません。もちろん、まず”住民の健康”が第一であり、”医療費の削減”はその結果であります!しかし、国家財政の逼迫した状況とその負担を結局は国民が負わざるを得ないことも確かであり、”医療費の削減”のための策も推進することも国民・住民のためと言えましょう。

住民の健康寿命の伸長や、生活習慣病の重症化の予防などのための取り組みの成果が”健康”として表れることが一番です。ただ、その取り組みや努力の持続性や、関心が低い層も巻き込み活動のすそ野を拡げるためには、例えば、自治体毎に医療費の増減を翌年度の保険料により顕著に反映させるようなインセンティブ制度が必要かと考えます。