4月18日(水)付日経新聞によれば、人材派遣業健保(加入者50万人超)に続き、日生協健保(16万人)も今年度中の解散を検討とのこと。
財政の逼迫が背景にあるが、その一因が後期高齢者医療制度への支援金の負担である。ご案内の通り、後期高齢者医療制度は税金約50%、保険料約10%、支援金約40%によって賄われている。(平成29年度予算ベースの医療費は15.4兆円。厚労省資料はこちらから。下図は7ページ)
その支援金は国民健康保険、組合健康保険等、協会けんぽが負担しているが、今回解散を検討しているふたつの大手健保はその負担に耐え切れなくなったものとみなされる。
いずれも、協会けんぽに移行するとされるが、その協会けんぽには1兆円を超える税金が投入されており。移行が増えれば、後期高齢者医療制度への支援金負担も増し、自ずと税金の投入額も増えることになる。(厚労省資料はこちらから。下図は8ページ)今更私が申し上げるまでもなく、高齢化の進行によって想定される増加を吸収できるだけの医療費の削減がない場合、現行の国民皆保険を維持するためには、保険料の引き上げ、窓口負担の引き上げは不可避となる。そのいずれも実施不可となっても、結局どこかにしわ寄せがいくだけである。財政再建まったなし。