地方創生三田会 第二回勉強会に参加しました。 慶應義塾の同窓会である“三田会”の種類・数は多けれど、このような繋がりでの三田会まであるとは驚きでした。小田原三田会で知り合った同級生と長銀同窓会で久々に再会した同級生からほぼ同じタイミングでお声かけいただき、参加してみました。

会の趣旨は、「地方創生の分野で活躍する塾員・塾生・教員等から各自が貢献できるテーマを共有し、参加者で討議を深めること」。主宰者は地方創生やソーシャルビジネス(社会起業)などで経験と実績の豊富な現役世代30~40台の方々。日本版CCRCなどで引っ張りだこの三菱総研の松田さんも主要メンバー。ただ、立ち上げて間もないためだろう、まだ総勢20名程度。会の趣旨に賛同する塾生は少なくないと思われ、今後間違いなく増えていくことだろう。

第二回のこの日のテーマはふたつ、それぞれのプレゼンと質疑応答合わせて計2時間。

ひとつめは「金融と地方創生の可能性」と題してソーシャルビジネスやNPO活動における資金調達手段について。要旨は、

・地方創生への思いは強く、アイディアに優れていても、“お金”の話には疎い人が少なくない。日本の金融機関は依然として担保至上主義であり、事業性を担保にしたり、社会貢献に対して与信する仕組みはまだ乏しい。

・後継者不足などを背景に、事業承継のニース゛が顕著に増加。新規起業に伴う事務手間等々も勘案すれば、今後は事業承継によるビジネス展開の方に注力すべきか。

・クラウドファンディングの仕組み、メリット、デメリットについて説明。

・資金の出し手を増やす仕掛けとして民間企業などによる“地域ファンド”は今後有力となる可能性。メリットのひとつとして、ファンド自体が貸金業の免許を取得できることがある。

自治体など行政サイドの関与としては、ファンドに関する情報発信、作業場所の提供、プレスリリースへの協力などが考えられる。

・西武信金が推進中の「NPO専用・ソーシャルビジネス成長応援融資“CHANGE”」(日本財団「わがまち基金」プロジェクトの融資)を紹介。

ふたつめは「古民家・里山・農地の継承と再生ならびに廃校活用」と題して、長野県で実際に取り組まれている地方創生の事例紹介。要旨は、

・①古民家での民泊経営と和文化コト消費(茶道・書道・そば打ち・酒蔵巡りなど)、
・②農業体験ツーリズム(リンゴ栽培→廃校の職員室に新設した機材でのシードル醸造。ブドウ栽培→ワイン醸造。酒米育成→日本酒醸造。大豆栽培→味噌醸造)
・③スペインでの酒蔵建築と日本酒醸造を支援など。
まずは、実際に実践されている生きた題材であることで、ひとつひとつの言葉に説得力があります。そして、これだけのボリュームの事業をほぼひとりで成し遂げるバイタリティには恐れ入りました。海外での日本酒醸造が増えて来なければ、国際的な認知度は上がらないとのご意見、確かにその通りですね。ひたすら“和”にこだわった事業展開も外人さんからの一定のニーズにマッチし、事業の継続性と発展性が大いに期待できるとの印象を持ちました。

開成町にも、足柄地域にもきっと彼女に匹敵する思いと行動力を兼ね備えた人がいるはず。如何に見出し、如何に具現化することができるか?!でしょう。

久々の母校キャンパス。校舎建て替え等で趣や雰囲気はだいぶ変わってましたが、古~い校舎の一部は残され、歴史をあらためて感じました。ちょっと遠回りして”幻の門”をくぐって帰りました。