3月4日・6日の2度にわたって紹介させていただいた埼玉県横瀬町の官民連携プラットフォーム”よこらぼ”。今回、新たに採択された事業に関して報道されました。◎”よこらぼ”とは?
まず、“よこらぼ“とは?詳しくは、誠にお手数ですが、横瀬町HP(こちらから)もしくは私の過去のブログ(3/4はこちらから、3/6はこちらから)をご参照ください。
非常に簡単に説明すると「埼玉県横瀬町が、民間企業等から先進的なプロジェクトを提案してもらい、地域活性化を図る官民連携の取り組み」です。
◎”よこらぼ”のすごいところ
今回新たに採択されたのは、「スマホなどで小児科医に医療相談できるサービスの実証実験」。
この実証実験の内容については後述いたしますが、その内容は一旦置いて、この“よこらぼ”すなわちこの官民連携の取り組みの優れたところは、“町や住民と企業の双方にメリットがある、もしくは、あるかもしれないこと“を”ほとんどのケースで、当初は町に資金負担が発生しないで始められること“。(今回のケースで現段階で資金負担が発生したかは未確認です)
今回の案件では、企業側には実証実験したいというニーズがあり、町側には子育て世帯へのサービスを充実させたいとのニーズがあり、その双方のニーズが上手くマッチングされた格好です。
誤解を恐れずに、別の言い方をさせていただくと、“外部(≒東京)の力や知恵を利用して、地域の活性化や行政サービスの向上を、ただか低コストで図る狙いもある”となります。
◎異常なスピード感
“よこらぼ”は、平成28年9月にスタート。以来、この様な案件を民間顔負けの驚くべきスピード感で処理し、この2月に伺った時点で、件数はすでに28件を数えるとのことでした(富田町長・井上副町長ともに私と同じ日本長期信用銀行の出身、とアピールさせていただきます)。
途中で頓挫してしまう案件も勿論あるとのこと。町としてはチャレンジし続けることが重要とのお考えでした。
◎今回の実証実験の内容は?
実証実験の内容に話を戻しますと、日経新聞が横瀬町を主語に報じたところによれば、
「横瀬町は、スマホなどで小児科医に医療相談できるサービスの実証実験を始める。平日の午後6~10時に利用できる。医療関連のベンチャー企業キッズパブリックと連携し、同社のサービス“小児科オンライン”を試験的に運用する。相談できるのは0~15歳の子どもがいる約600世帯。予約すれば、対話アプリLINEでも無料相談できる。
行政コストへの影響を分析したりして費用対効果を検証する。同町には現在、小児科病院がない。相談できる仕組みで住民サービスを補完し、子育て世帯の暮らし易さを高めたい考え」とのこと。
一方、キッズパブリック社のプレスリリースでは、もちろん自社を主語にして、「地方における小児科医への相談窓口確保の施策として、町内に小児科医が不在の鹿児島県錦江町と埼玉県横瀬町と連携し、“小児科オンライン”による共同実証実験を開始する。
自宅にいながら小児科医に自宅での対応や日頃の子育ての不安を相談できるサービス。現在、主に自治体や法人向けに展開している。
両町の課題である小児科医不在状況に対して、ICT活用により全国の小児科医へのアクセシビリティを向上させ、子育て世帯の不安や経済的、時間的負担の軽減がもたらされるかを評価し、同様の問題で悩む全国の自治体に対してパイロットケース(試験的な調査・研究)になることを目指す。」
※「小児科オンライン」のサイトはこちらから。
と、両方お読みいただければ、双方にメリットがあることがお分かりいただけるかと思います。
◎この官民連携の仕組みは小規模自治体向き
この先進的な取り組み“よこらぼ”。案件内容によりますが、概して“小回りの利く小規模自治体の方が向いている仕組み”と考えられます。参考にしない手はありません!
そして、同町富田町長のお言葉をそのまま引用させていただくと『自治体の規模や立地条件によって、案件内容に向き不向きがあります』。将来的には、自治体の間でそれぞれに適した案件を紹介し合うようなネットワークの構築も考えられましょう!