度々ご紹介している埼玉県横瀬町の官民連携プラットフォーム“よこらぼ”。(同町ホームページでの紹介はこちらから)

先日、ベンチャー企業が提供する“小児科オンライン“の実証実験についてお伝えしたばかりですが、早速ですが、雑誌日経グローカルにてもうひとつ見つけました。

テーマは“乳幼児が夜泣きする原因の研究”(報道内容はこちらから)、今回は企業ではなく“大学との連携”です。連携にいたった経緯詳細は不明ですが、東大大学院研究室の夜泣きに関する研究ニーズと、横瀬町の子育て世帯を支援したいとのニーズがマッチングされた形です。

本当に“綺麗な形の連携”だと思います。横瀬町にもたらされ得るメリットとしては、
・住民が研究過程に直接関与し、その成果を直接享受できる可能性がある。
・研究者はじめ東大関係者、この分野に関心のある人々に横瀬町の名が売れる。この案件のみでは限定的だと思いますが、30件を数えるよこらぼ案件全体でみれば、“交流人口増加”も期待できる。
・東大とのパイプが太くなり、他分野の研究や公立小中学校教育などで連携の可能性が生じる、
・町民の町の施策に対する関心が高まり、且つ町の一員である当事者意識や行政への参加者意識が高まる、

など私が思いつくだけでもこれだけ挙げられます。しかも、繰り返しですが、町の財政的な負担は通常はないか、限定的です。この反対側に大学側のメリットが別途あります。

私も大学との連携は重要と考えておりますが、ポイントは必ずしも自治体サイドにニーズやメリットがあるわけではなく、大学側にもそれらが存在する場合が多いことです(地域・歴史の研究や、実証実験、活性化への貢献など)。要はお金を出して何かを頼んだり、購入する類ではない点が重要です。
(山神ゆたか 討議資料より大学との連携の部分を抜粋)
長野県小布施町の役場庁舎内には慶應、法政、東京理科大のまちづくり研究所などの拠点があります(今日もなお稼働中かどうかまでは情報更新しておりません)。

東京から1時間前後の開成町の場合はそこまでする必要もないとは思いますが、逆に、立地条件としては横瀬町と酷似して、東京から1時間前後のアクセスだからこそ、且つ多くの自治体の人口が減少する中でいまだに人口が増えている特異な局面にあるからこそ、様々な研究対象や活性化施策の対象として活用いただける可能性があると思います。