『学校の部活は地域が受け皿に』、4月25日付け日経新聞の社説である。月平均80時間以上の残業を強いられている公立学校の教員が中学校で6割、小学校で3割に達したとし、地域社会が部活の受け皿になることを提言している。
私も以前PTA活動に携わった時に教員の方々の多忙感を肌で感じた。部活もその一因であることは間違いなく、改善・改革の余地は十分にあると思う。ただ、地域に委ねる場合はその人選や様々な責任の問題、部活に熱心な先生も少なくないことへの対応など議論すべきポイントは多数ある。
細かい話であるが、当時とある町の会議において強く感じたのは、教員が作成された資料が過剰品質であったこと。それを作成するために要したであろう時間と労力を生徒指導等々本来業務に充てさせてあげる配慮や工夫をすべきと感じた。町のさらに上の県や国への報告関連の負担も相当重いだろうと推測した次第である。部活問題以前に負担軽減を図る術は結構あるのではないか。
その社説でより強い興味を引いたのは愛知県半田市の事例。「中学校の敷地にカフェや更衣室を備えた4階建ての運動施設を建設。学校という公共施設を地域に開放し、幅広い世代が多様なスポーツを楽しむ総合型地域スポーツ施設の成功例と言える」としている。
私も、まったく同じコンセプトではないが、多世代が利用し、多くのニーズや課題に応える複合施設が今後の開成町には有益と考えている。具体的にはスポーツ・健康・リハビリ(プール、体育館、グランド、武道、体操・ダンス・ヨガ等)や教育(学習塾、英会話、IT等)、文化(音楽、書道等)の施設やメニューを多世代が利用できるものである。町内空き地の許容量の問題から体育館やグランドは現存施設を利用することも選択肢となる。
さらに学童保育や子ども食堂、高齢者福祉などへの対応することによって、社会的課題をワンストップで解決し得る仕組みすることで施設の価値も格段に上がることになる。
一般的にこのような施設は都市部の廃校利用などに見合った発想であるが、開成町流にアレンジすればよいと思う。また、新たなハコモノで将来負担がさらに増しては本末転倒であり、民間主導であることが必須条件となる。
少子高齢・人口減少社会へ突入せんとする今、将来を見据え取り組むことが重要であろう。