この4月に高崎市にオープンした英語を学べる山村留学施設「くらぶち英語村」に行ってきました。”英語教育”の重要性の高まりへの対応、定住・交流人口増加のための”魅力づくり”のいずれの視点でも素晴らしい施策だと思います。県内の太田市や前橋市との競合状態も背景にあるようですが、実際に異常な人気ぶりであり、世の中相当程度のニーズが存在すること確かだと思います。
今回あらためて調べてみて初めて知ったのですが、昨年の体験留学には実に1900人を超える応募を集め、しかも7割が首都圏を中心に県外から、遠くは岩手県や鹿児島県からも申し込みがあったとのこと。通年コースは倍率4倍だったことは知っておりましたが、週末コースと短期コースを合わせて592名もの申し込みがあり、入村者は抽選で決定されたとのことでした。
○見学させていただいた感想等
・まずは自然環境に非常に恵まれている。畑作業や山登り、稲作、キャンプなど様々な活動が実施・予定されているようだが、申し分ない環境と言える。英語のみならず、いやもしかしたら英語以上に、親元を離れた共同生活の中で人間関係等々いろいろ学べる可能性が高そう。勿論、本人の性格や考え方は多様で、馴染めない子も出てきてしまうとは思いますが。
・通年コースの22名に対しては非常に余裕のある造り。2階に3~4名/部屋が6つあるが、1階はすべてオープンな共同スペース。小中学生が学年を越えていくつかのグループに分かれて勉強やら、作業やら、話し合いやらしていたが、非常に活気に満ちていた。まだ知り合って2ケ月程度、相当刺激の多い日々を過ごしている風に見受けられた。
・話しかけてきてくれた外国人はイギリスの若人。平日は高崎市立中学で英語を教え、週末は英語村のスタッフとして働いているとのこと。イギリスには英語が母国のため、この様な施設はない、もっと他の言語を学ぶべき!とのご意見でした。
・建物裏に自転車があった。小学生は4㎞の道のりを徒歩で通うが(今は?付き添いと一緒に通学とのこと)、中学生は6㎞先の学校まで自転車通学。この距離、しかもこの環境だけに自転車は許容されてしかるべきでしょう。
・週末の活動は屋外の農作業等以外にも、箸作り、メキシコ料理作り、陶芸、梅漬けなどバラエティに富んでいる。実績の豊富なNPO法人”育てる会”ゆえに提供できるのだろう。
地元の神社の祭礼にも何らかの形で参加するようで、地元の方々からしても地域に新たな賑わい・活気が及ぼされる可能性があり、喜ばしいことだと思います。
○全体を通しての感想
・英語”漬け”の先入観が強すぎた反省もありますが、この施設はグローバル人材の育成や英語教育の充実、定住・交流人口増加などの行政サイドの目的と、運営するNPO法人”育てる会”の理念(※1:以下にホームページより一部抜粋)が合体もしくはミックスされた事業であり、必ずしも”英語”だけに特化したものではありませんでした。
いずれにせよ、体験留学を含め多くの申し込み・応募を集めた事実は、この施設に対して社会のニーズが相当程度あることの証左と言えましょう。
活動内容の詳細はそれぞれの自治体や地域によって異なってきてしかるべきですが、開成町はじめ神奈川県県西地域においても、さらなる発展と同時に目下&今後の課題克服のために、非常に参考になる取り組みだと思います。
※1:育てる会は“体験の裏付けがない知識習得は砂上の楼閣であり、子どもが真の生きる力を獲得するには、様々な自然体験、生活体験の場が必要である”との考えから、様々な教育活動をスタートさせました。
私達は、“子ども自身が様々な場面に直面した時、その生い立ちや体験によって得た力をもとに課題解決に向って能動的に動きだす”このような子ども像を大切にしたいと考えています。