セミナー「事業承継とM&A」(主催:明治大学 建設・不動産駿台会)に出席しました。
※M&A : Mergers & Acquisitions。企業の合併・買収。
高齢化と生産年齢人口の減少、都市部への人口集中、経済のグローバル化、特定の業種に偏りはあるものの有効求人倍率の上昇などを背景に、企業数で99.7%を占める中小企業(2014年時点 380.9万/382万)の現状と将来は如何に?!との興味を抱いて行きました。
内容としては、
・中小企業数は2009年から2014年の5年間で39万社減少(2017年 中小企業白書はこちらから)。前述の社会環境の変化以外にも、労働単価の上昇や単純労働人材の不足、消費の低迷、社会保障負担の重さ、そして何より後継者不足などが中小企業の倒産や廃業、譲渡に拍車をかけている。
・非常に希少な技術力をもった企業や名産品を誇った企業の廃業も少なくない(痛くない注射針の岡野工業、チョークのロールスロイス 羽衣文具、男の酒 谷乃井酒造など)。ただ、こられの企業の中には後継者はいなくもないが、”品質を維持できる確証がないため”といった信念・こだわり・流儀によるものもある。
・さらに、”後継未定”が127万社にも上り(2017年10月6日付日経新聞)、大廃業時代の到来も想定される。
・以下、事業承継や譲渡の類型や仕組み、それぞれのメリット/デメリット、実際の手続きの流れなどについて説明。
事業承継の形態に関する経産省のデータによれば(2015年12月時点)、経営者の在任期間が30年を超える企業の90%が親族に承継できている。ただ、5年未満の場合は企業売却自体が目的であるケースも多いと推測されるが、その比率は35%まで下がる。親族内の承継は減少傾向にあり、国としてもその継承支援を重要な課題と位置付けている。
日本に”M&A”なるものが輸入されてきたのが1985年頃。私が社会人になった1989年当時も、”何をやりたいか?”との問いに”M&A(かプロジェクトファイナンス)”と回答した銀行志望者が数多いた。
昨年のM&A件数は3,050件と過去最高を更新。仲介業は成長産業としてまだまだ拡大の余地がありそう。
事業承継。地元の中小企業にも同様の課題があるに相違ない。基礎自治体が行政が過度に踏み込む領域ではないのかも知れないが、日頃のお付き合いの中からニーズを察知し、自らの人脈やネットワーク化された世の仕組みを活かせる可能性はあるだろう。