『2019年度 大学新学部 ~個性・ユニークさ前面』11/5付け日経新聞朝刊の記事が目に留まりました。
来年の4月、全国の大学で新しい学部が20以上も誕生するとのこと。まず、目立つのは”グローバル人材の育成”を目指す学部です。
立命館大 グローバル教養学部:豪州国立大と完全互換のプログラム。日本人3割、外国人7割。授業はすべて英語。定員100名。
中央大 国際経営学部:目標はずばり”東南アジアで先頭にたつビジネスマン”。
兵庫県立大 国際商経学部:英語漬けの授業。タイ教育省と連携。
東京外大 国際日本学部:グローバルな視点での日本研究。”英語で日本を発信できる人材の育成を目指す”。
日本の人口減少・労働力不足に伴う外国人への依存の高まり、インバウンドのさらなる増加期待等からすればあるべき妥当な展開に見えます。
さて、私が関心をもったのは、”ワクワク大作戦”で全日本大学駅伝で優勝した青山学院大学の「コミュニティ人間科学部」。”地域貢献”をキーワードに、地域で活躍する人材の育成を目指し、島根県の子育てプロジェクトなど実際の取り組みを実習や演習で学ぶとのことです。
2016年の春に地方の国立大学(※1)で相次いで”地方創生”を学ぶ新学部が開設され、それぞれの地方で人口減少・高齢化や経済的疲弊などの課題解決や地域活性化への貢献が期待されております。
※1:愛媛大、宮崎大、福井大、宇都宮大、佐賀大、静岡大
私立大に関しても、既に多くの大学が地域社会への貢献や、地方の社会課題の解決などにおいて連携や協働に取り組んでいます。都市型大学の青山学院大が地域・地方に焦点をあてる新学部を開設することは、また新たな展開であり、他大学への波及も想定されます。
自治体側にしてみれば、これら大学サイドの動きを積極的に活用するスタンスが重要だと思います。大学は、現場を学ぶフィールドワークの場や研究を実証実験する場を必要とし、求めています。人口減少や少子高齢化が進行している地域の方が概して課題は多く、研究対象になり易いとは思います。
ただ、私の住む開成町の場合は、逆に数少ない人口が増えている町としての特異性が研究対象になり得ると考えられ、と同時に課題後進自治体として課題先進自治体の先行事例を基にした様々な提言の対象にもなり得ると思われます。大学との連携はWin-Winとなる可能性があります、大学側のニーズの受け皿としてこちらから手を上げて、”わくわくさせて大作戦”を仕掛ける価値はあると思います。