6月16日に来日、山神家にてお預かりした米国人留学生イハブさんが8月24日に帰国しました。山神家として初めて留学生を受け入れたこのアッと言う間の2ケ月間を振り返り、当初の目的の達成度合いと、この経験を今後に活かし得るかについてまとめてみます。まず、当初の目的。すべてのことに目的がある必要はありませんが、問題に直面したり、選択に迷ったりした場合に、決断の判断基準とするために常に、そしてできるだけ明確な”目的”を設定するようにしています。今回の目的は、①愚息の1年間の米国留学(高校生で、日本の成績には反映されないため、留”学”というより、”異文化交流”の方が実態に近いとされます)の恩返し、②将来的に町の英語教育の充実のために留学生を活用することを視野に、受け入れに伴う負担や課題を身を持って体験すること、でした。
①について。6年前、愚息は高校2年の夏から1年弱、米国カリフォルニア州北部の高校に留学、現地の家庭のお世話になりました。AFS日本協会(ホームページはこちらから)という留学や国際交流の活動をする非営利組織を通じて派遣されました。寄附などによって運営されるボランティア組織のため、交通費と保険料以外はかかりませんでした。
ホストファミリーはこれまでに数十人の高校生を預かり、面倒をみてきた奇特な老夫婦。愚息がお世話になった際も、同時にサウジアラビアとカメルーンの生徒も預かっていました。
「なぜ?そこまで」のような話はできませんでしたが、来日の際「御礼がしたい」と申し出たところ、「留学生を預かることが御礼になる」と想定になかった回答に、そういう考え方をするのか?!と、正直ショックを受けました。以来、いつか機会があればと思っていたところに、”2ケ月間”という初心者向けの話が舞い込み、即決しました。
今回お預かりした米国人は、とにかく日本が大好き、コンピュータープログラミングを専攻する25歳の男子大学院生。昨年、大阪・松山に2週間滞在、2度目の来日。来年末の卒業後、ゲームのプログラマーか英語の先生として、日本での就職を希望。
目的は果たせたか?これは金銭的なことではなく、私の気持ちの問題になります。”多少は恩返しができた気分”ではあります。過度にお節介を焼いてもいけないし、放ったらかしでもいけず、私なりに適度な距離感で過ごしました。関わっていただいた方々や家族の絶大なるサポートのお陰により、充実した日々を満足いただけた様子で帰国されたことから、ひとまず無事に役目を果たせたものと思います。
次はあるか?恩返しはまだ完了していない気分と、夢や希望に向かって頑張る世界の若者との交流は意義深いことから前向きに検討します。ただ、少なくとも家族の協力が不可欠なため、ひとりでは決められません。高校生なら日中は学校へ通うため、言い方が難しいですが、負担は多少軽くなるかもしれません。
お堅い話ばかりなので、最後にちょっとだけ柔らかい話を。
8/23の会話1
山神「日本でやり残したことは?」
イハブさん「ない」
山神「満足度は?」
イハブさん「99%」
山神「残り1%は何?」
イハブさん「8/26の榎本自治会のミニ集会に出れないこと」
笑わせるというか泣かせるというか、日本人以上に日本人っぽい気を遣える外国人でした。
8/23の会話2
山神「帰国後真っ先にやりたいことは?」
イハブさん「ラムを食べたい」
気づきませんでした、ごめんなさい。言ってくれよぉ!日本人以上に日本人っぽい気を遣える外国人でした。
目的②については次回とさせていただきます。