あることについて調べるために三重県松阪市のホームページにアクセスしたところ、目の前に”真っ赤”が画面が飛び込んできました。災害対応用の緊急ページが初期画面として設定されていたためでした。大型の台風20号が四国に上陸することが予想される中、”今、最も必要とされる情報を、最も分かり易く表示し、伝えるための措置”です。当初の目的そっちのけで、いくつかの他の自治体のホームページも覘いてみました。
気象情報や避難準備・勧告・指示、避難所開設に関する情報の入手手段は、自治体が直接発信する防災無線・防災ラジオや緊急速報メール以外に、テレビ、ラジオ、インターネットなど様々あります。大臣官房技術調査課電気通信室などが共同で行った”災害時における情報提供手法に関する研究”によれば、インターネットの特徴のひとつとして”情報提供者の意図により、地域性の高い情報提供も可能”とありました。
要は、”各地域の細かな情報を提供するためには、テレビやラジオよりも優れている”ということだと解釈できます。情報を入手する側に立っても、インターネットにアクセスする人は、外出先などで携帯電話・スマホしか手段がない場合は別として、より細かな情報を、より迅速に入手する目的である人が多いとの見方もできるでしょう。
サイトにも種類があり、市町村、県、気象庁、各メディアなどが情報を提供しており、選択は好みによるところもあるでしょう。ただ、市町村のホームページに行けば何でも分かると思っている人も少なくないでしょうし、そうあるのが理想的だと考えます。
実際はどうだったか?避難準備を発令した愛媛県西予市と砥部町。7月の西日本豪雨に甚大な被害を受けた西予市は真っ赤でこそなかったものの”緊急災害時専用のトップページ”が設定されておりました。砥部町は専用ページはなく、通常のトップページの”重要なお知らせ”の中で発令時刻付きで、避難準備や避難所の開設状況などが掲載されておりました。避難指示を発令した香川県善通寺市と綾川町。善通寺市は砥部町と同様でした。綾川町はトップページにも、”防災”や”安全・安心”のコーナーにも、気象情報や避難指示発令に関する情報は一切掲載されておらず、平常時のままでした。
香川県市町村の避難情報の詳細は”かがわ防災webポータル”(こちらから)などが掲載しておりますし、マンパワーに限界のある小規模自治体は対応力に応じて、県などとの役割分担はあってしかるべきと考えられ、致し方ないと思います。ただ、いざと言う時、町のホームページは情報を更新しない(可能性がある)ことを事前に周知することと、県ホームページに誘導・案内する表示や仕組みが必要だと感じました。
開成町においても、空振りを恐れぬ早め早めの避難と、その情報が確実に住民に伝わる仕組みの構築が必要です。次週実施される恒例の避難訓練に関しても、地震に対する訓練に終始することなく、豪雨・洪水に対する訓練や、いずれにも共通する地域避難所の開設やそこでの生活シミュレーションなど”いざという時、実際に役に立つ訓練”の実施も検討すべきだと思います。