9月30日(日)、TBSにて『消えた天才』という番組が放映されました。各界の”超一流”が人生で衝撃を受けた”天才”の今を追う、という内容でした。(番組ホームページはこちらから)

超一流のひとり長島一茂さんが、大学時代(立教大学野球部主将)に絶対に勝てなかった人に選んだのが、私が慶応大学野球部3年の時の主将 猿田和三(サルタカズミ)さんでした。

一茂さんが猿田さんを選んだ理由は、ともに選出された日米大学野球大会において、日本にとって唯一の勝利をもたらした逆転サヨナラホームランを猿田さんが放ったという野球の実力もさることながら、”チームをまとめるリーダーシップや人柄”でした。

猿田さんに関しては、私の方が当然よく知っていると自負していますが、両校の主将としての1年間の付き合いと、日本代表としてともに戦った1~2週間程度の短い期間の中で”そこ”が分かった一茂さんは流石超一流です。『ひとが活躍して喜べたのは猿田さんが初めて』とも仰ってました。

私の大学同期も、猿田さんが人望を集められるのは、”ベンチに入れないメンバーなど裏方の人々のこともちゃんと見ていてくれ、嘘のない感謝の気持ちを常に持ち続けてくれているから”と口を揃えて言います。

そんな猿田さん、大学卒業後野球は続けず、地元秋田県に戻り、県職員となりました。今は財務の仕事で秋田県民のために汗を流されております。部員の中には弁護士や先生を目指す者もおりますが、多くが大手民間企業に就職する中、”ぶれない”猿田さんらしさが表れていたと感じます。
番組を見ながら、当時を懐かしく思い出しつつ、私も身の引き締まる思いをしました。リーダーシップ、人望いずれに日頃の行い次第だと思います、それが目的化するのは本末転倒。リーダー自らが組織のために率先して動く、働くことが最も大事であり、メンバーとの意思疎通をできる限り図ることももちろん非常に重要です。是非とも実践していきたいです。

最後にエピソードをひとつ。3年春のリーグ戦初戦、試合前のノック終了後のベンチで、私は猿田さんにかなり厳しく説教されました、『気合いが足りない!』と。多少不本意でしたが受け入れました。

試合終了後、猿田主将より『悪かったな、見せしめにして。チームを引き締めるためだ、分かってくれ』と一言もらいました。このフォローができるのが猿田さんです。そのリーグ戦は2年ぶりの優勝、全国制覇も果たしました。

身近にいた理想のリーダー像を追い求めて日々精進いたします。

<捕手 山神、ホームランを献上するリードをしてしまいました・・・。>