10/13(土)、第24回全国報徳サミット小田原市大会が小田原市民会館にて盛大に開催されました。小田原市での開催は3度目。地元開催の機会に有難いお声掛けをいただき、初めて観覧してまいりました。
全国報徳研究市町村協議会に加盟する17市町村が参加(協議会の詳細はこちらから)。これまでも、単なる交流にとどまることなく、掛川市と豊頃町の間での”互産互消(お茶と鮭などお互いの名産品をお互いに消費する取り組み)”や、秦野市 書道展での”報徳部門の創設”や”菜種油づくり”、御殿場市での副読本制作、那須烏山市での”お救い小屋基金の創設”、小田原市他での”相馬・双葉地方への義援金募集活動”など、報徳思想・報徳仕法を具体的な取り組みにつなげる契機となっている有意義な組織とイベントであることを知りました。
今回は、まず5名の小学生による尊徳学習成果作文の発表。純粋且つ素直な思いにお世辞抜きで感動しました。
続いて、報徳二宮神社の草山宮司による講演。「尊徳先生が生きた時代は人口減少・自然災害多発・経済的疲弊などの点で現在と酷似。今こそ報徳仕法を実践すべき時!尊徳先生が生きていれば『即行動せよ』と仰るはず」、「”綿密なる調査と分析→計画策定→実行・実践→推譲”というプロセスは現代にも適用可能。補助金頼みからの脱却を目指す意識改革が必要。」との主旨でした。
まちづくり推譲事業として展開中の報徳流地方創生塾における活動(私も2度受講させていただきました)や、小田原柑橘倶楽部や神社創建120周年記念事業など具体的な取り組み事例も紹介されました(取り組み詳細はこちらの報徳二宮神社HPから)。参加された市町村の首長さんに相当な刺激を与えた模様で、尊徳先生の思想だけでなく、仕法を用いた”地域内での人・物・お金の経済的な循環”を目指した取り組みに早急に着手したい!とのコメントが相次ぎました。
お話を伺う中で、尊徳先生の数ある教えの中で”積小為大”や”至誠・勤労・分度・推譲”などはそれこそ誰にでも、何事においてもあてはまる大事な要素であり、こと行政に関しては”分度”がやはり重要、そして、兎にも角にも”実践すること”が最も大事であるとあらためて感じました。そして、様々な格差解消のために”推譲”の精神を活かさせていただき、具体的には寄付に寄る基金を創設し、奨学金や生活困窮世帯への支援などに充てる仕組みを構築したいとの思いも新たにしました。
内村鑑三によって代表的日本人のひとりに選ばれた二宮尊徳先生、小学校において復活する道徳の教科書にも再登場し、中国北京大学などでは報徳思想・仕法の研究が活発化しているとのこと。複数の登壇者から『平成の次の年号は”報徳”!』との声もあがっておりました。いずれにせよ、酷似する時代背景に報徳思想・仕法が再評価される可能性を強く感じたサミットでした。