地方創生フォーラム“交流の拡大による地方創生 ~地域資源を磨き上げる サイクリングを例として~”に出席。

明治大学院 兼任講師 椎川忍先生が理事長を務める地域活性化センターが主催ということで、お声かけいただきました。

テーマは、サイクリングを交流人口の増加や稼ぐ力、地域資源などの視点で地域活性化に如何に活かすか。

サイクルナビゲーター 絹代さん、NPO法人シクロツーリズムしまなみ 山本優子代表理事、JTBエグゼクティブプロデューサー 田村秀昭氏らによるプレゼントパネルディスカッション。

最寄&私のランニングコースである酒匂川サイクリングコースは全長10㎞足らずで、幅も交互通行がやっとと狭いことから、現行のままでは交流人口増加や稼ぐ力には結び付き難いものの、何かしらのヒントは得られるであろうとの思いで参加。

先行事例として紹介のあったしまなみ海道自転車道や栃木県那須エリア、和歌山県紀の川エリアはすべて地元の民間人主導、後から行政がついていくパターンであった。地域活性化の成功事例とされる小布施町や真庭市と形は違えど、同様。

つくば霞ヶ浦りんりんロードはこれまでは官主導も、次年度以降、官民一体の推進体制に移行する予定とのこと。

しまなみ海道は、住民参画型のまちづくり。準備段階で座談会を繰り返し開催。国際ロードレースは年に1回だけ、残りの364日をどうするかをひたすら話し合ったとのこと。目的地も大事だが途中の道、寄り道も大事との視点で、県外から訪れる人との“交流”を重視。“しまなみサイクルオアシス(休憩、トイレ、空気入れなど)は当初、20軒の民家による軒先提供から始まり、現在は159ケ所まで増加。今ではその住民に会うために訪れる人もいると言う。ここに重要な示唆がありそう。

那須高原のロードレースは、とにかく地元住民の応援がものすごいとのこと。歌やらチアやらアルパカまで登場、住民が楽しんでいる。リピートしたくなって当然の歓迎ぶりとの評価だった。

あらためて、住民の参加、しかもその住民が楽しむことが地域活性化とその持続性に不可欠な要素との印象。ただ、住民は決して無理をしないこと、出来る範囲内でやることが持続可能性を高めるとの指摘もされていた。

和歌山県紀の川ではフルーツパフェ巡りなどフルーツツーリズムと絡めて推進。”行けば誰かいること”がリピーターになる大きな要因との見方。徳島県三好市のゲストハウスと同様の見解が示された。

JTB田村さん。サイクリングやロードレースによる観光は着地型商品と明確に位置付け。要は、宿泊してもらったり、リピーターになってもらって初めて儲かるビジネスタイプ。ロードレース大会自体は実は儲かるが、単なるプロ―モーションと位置付けるくらいがいいとの考え。

東京から数十㎞のところは日帰り圏、サイクリング目的だけでは宿泊しない。体験型のプログラムを絡めるか、広域で観光・宿泊に結び付ける取り組みが必要。
そして、自分が住む自治体だけではなく、近隣市町村の情報も身につけるべき、翌日の宿泊場所などを紹介できないようであれば、広域での観光振興は進まないとの見解であった。

さらに、国内に居住する外国人が来ないようなところにインバウンドも来ない。国内に居住する外国人による口コミでインバウンドが増加することはある、と長年の実体験を踏まえた言葉には相応の重みを感じた。