「中井町、交流拠点づくり。笑顔になれる場所に ~主婦ら空き家活用~」、11/8(木)付け神奈川新聞が報じております。記事によれば、「中井町の主婦らによって構成されるNPO“子育ての輪Lei”(ホームページはこちらから)が地域の交流拠点づくりに取り組んでいる。町内の空き家を借りて、自らリフォーム、子どもたちや母親同士が集えるコミュニティの場を育てたい」とのこと。
この地域のコミュニティづくりの取り組み、行政主導ではなく民間・住民主導である点が素晴らしいと思います。住民自らが地域の課題克服に取り組む姿勢には頭が下がります。以前、開成町で利用可能な空き家を探されていた時にメンバーの方に面識をいただきました。その時はお役にたてませんでしたが、NPOが順調且つ活発に活動されていることはとても喜ばしいです。
同NPOはこれまでもひとり暮らしの高齢者などが集まって夕食をとる“コミュニティ食堂”や母親向け防災講座を月1回開催するなど活発に活動。料理をただ振る舞うのではなく、参加者も交えて調理するなど“コミュニケーションのお手伝い“を心掛けている、とのこと。
東京で複数のこども食堂を開いている方も『こどもたちには片付け等々手伝せることが大事』と仰り、文京区のこども宅食の狙いも”利用者が多くの人とコミュニケーションをとったり、悩み事などを相談できる関係を築くことにある“とし、いずれも物やサービスを提供することだけが目的でないとしている点で共通しており、示唆するところありと感じます。
空き家や空き店舗の増加は地域経済の活性化や景観・生活環境・防犯・治安などの視点で全国的に重要な課題です。人口増加中の開成町においても、まだその比率は比較的低いものの課題であることには変わりありません。
ここに地域活性化センターがまとめた空き家・空き店舗の活用事例集があります。事業主体が自治体のものとNPO・企業・大学のもの、補助金があるものと無いものなどいろいろあります。興味を覚えるのはやはりその他の社会課題の克服も同時に図れるもので、例えば、人口減対策としての(学生などの)シェアハウス、働き方改革への対応としてシェアオフィスやサテライトオフィス、農による移住を促すための農業従事者用住居、労働力不足への対策としての(女性の)起業支援施設、そして今回の中井町の例を含む子育て世代や高齢者を含む多世代交流拠点や、孤食・孤独解消のための交流施設などです。いずれにしてもただではできませんし、所有者の合意が必要であるなどハードルはありますが、空き家である時点で前述の通りの課題を抱えることに相違はないため、真剣に取り組まなければならない問題であります。