「消費増税対策 プレミアム商品券、マイナンバーで上乗せ」10/24(水)付け日経新聞他が報じております。(時事通信社のニュースサイトはこちらから)

来年10月の消費税8%から10%への引き上げに備えた景気・消費下支え策として、財務省と総務省が”マイナンバーカードに貯めることができる自治体のポイント制度をプレミアム商品券に活用する検討に入った、とのこと。具体的なイメージとしては、通常の商品券のプレミアムを20%とした場合、自治体ポイントには30%のプレミアムを乗せるもの。

プレミアム商品券に関しては、地元商店の活性化につながっているか疑問、消費の反動減があるなど批判的な見解も聞かれますが、国全体としては一定の効果があろうかと思います。

一方で、マイナンバーカードは普及率が12%にとどまり、広まっていない現実があります。これを機に普及率を上げようとするのは非常によいアイディアだと思います。しかしながら、その普及のためにはまだ他にも課題があります。

まず、「マイキープラットフォーム」にて個人IDを登録しなければなりません(詳しくはこちらから)。これ、単純に面倒です。セキュリティーが重要であることは理解できますが、ジレンマに陥っている感じです。

そして、自治体ポイントが利用できる自治体が残念ながらまだまだ少ないです。神奈川県では相模原市と川崎市の一部だけであり(詳しくはこちらから)、現時点ではインセンティブになり得ません。

私自身、今年になってマイナンバーカードを発行しましたが、いまだ一度も使用する機会がなく、日常生活においてなくても何ら不便のないことはこの低普及率が証明してしまっております。

普及率が上がれば、例えばコンビニでの公的書類の交付が可能となるなど利便性の向上が実現しますが、現在のような低普及率の下で実施すると異常なコスト高となるのは確実で(某市議の試算では、住民票1枚あたりの発行コストが1000円以上との自治体も)、自治体は多額の持ち出しを強いられます。何とか、発行するメリットの向上←→普及率の上昇という好循環を生み出せるよう、基礎自治体としても知恵を絞っていかなければなりません。

国の話に戻ってしまいますが、まずはあの一手間=マイキープラットフォームを何とか省くアイディアはないものでしょうか。そして、少しずつでも”確実に”利便性や発行者メリットを上げる取り組みか、インセンティブを創出する仕掛け、例えば公的書類の発行手数料を下げるとか、各種助成金や年金受給や相続の申請手続きを相当程度簡素化するなど、短期的な費用対効果は一旦棚上げせざるを得ないでしょうが、一定の効果はあろうかと思います。さもなくば、それこそカード制度自体が廃止の憂き目に合う可能性も否定できません。