去る4月25日(水)、「NEXT AGRI PROJECT~明日の日本農業を語る活性化会議~」に出席しました。

(株)マイナビが主催。農業活性化事業部を立ち上げ、今後、農業部門を重要なビジネス分野と位置付けて事業展開する方針、今後も同様のセミナーを定期的に開催予定とのこと。

”農業”。今、正に”動いており”、今後ますます重要そして注目の分野と言えましょう。
・最も身近な話題としては、高齢化等による後継者不足と遊休地・放棄地問題、”農”による観光振興や地方創生、移住・定住策。
・政策関連では、減反政策の廃止(2018年度)や主に都市部における生産緑地の営農義務解除(2022年)の影響、農協改革(全中の監督・指導権の廃止。全中に払う負担金の廃止など)、TPP対策(安い農産物の輸入増の可能性/輸出拡大のチャンス)など。
・ビジネスとしては、平成21年の農地法改正による一般法人の参入と”儲かる農業”を模索する流れ。

この日のプログラムは①民間企業による農業支援の事例紹介、②クラウドファンディングを活用した新しい農業、③未来を担う農業と盛り沢山。加えて登壇者が13名と多く、それぞれの持ち時間が短く、ありがちながら皆駆け足だった。

全体を通しての感想としては、
・製品や技術は一段と高度化し、情報収集の仕組みも構築されつつある。課題はそれらをいかに実用可能なコストで活かしていくかに尽きる。

例えば、稲作にて水位と水温のモニタリング機能の充実で人による見回り負担は4分の1になったが1台数万円、水の元栓管理は結局人手頼り。土に帰る電池を開発もかなり高コスト など。
・未来の農作業像として面白そうだったのが、1㎢単位で30分毎の気象予測をトラクターで見れる仕組み、音声認識と文字変換技術の高度化により農作業や耕作記録のテキスト化、病害虫や雑草の画像を送信し、適した農薬を紹介する仕組みなど。いずれもコストによるが生産性の向上に資するものとの印象。
・より関心の高いインバウンド需要の取り込みについて、JTBの”農産物の輸出と訪日客の誘引を一体的に取り組むJ’s Agri事業の担当部長より最近の動向についてプレゼンあり。

海外での本物志向は高まりつつあること、訪日客の期待は”日本食”であることから、ブランディングがますます重要に。
アジア(シンガポールやマレーシア、香港あたりと推測)では、日本米と日本の具材でつくられたおにぎりが2ケ800円で売れる。

日本酒は安心・安全で健康にも良いとの評価があり、アジアの地酒ショップで飲んだ日本酒の産地や酒蔵を訪れるというツアーも人気化しつつある、とのこと。
※JETROが海外6ケ所で日本産食品を試験的に販売した際の調査・アンケート結果をご参考まで添付します。JETRO

輸出と酒蔵ツーリズム、38年ぶりに自家醸造を再開された開成町 瀬戸酒造店さんはじめ足柄地域の酒蔵でもトライしてみたいですね。ただ、インバウンドについていつも思うのは、まずは今日本に住む外国人の方々が興味を抱いたり、実際に訪れるようなところでなければ、海を渡って人は来ないと思います。

Trip Advisorをはじめとする口コミサイトの威力以前に、来るに値するところか国内在住者の動向で測れるでしょう。まぁ、100人全員の興味を引く必要はなく、100人3人でも構わない、ニッチやマニアを呼び寄せ、リピーター化を図る仕掛けでもいいと思います。