ソーラーシェアリング(農水省では「営農型発電設備」と呼んでいるとのこと)について学ぶ機会に恵まれました。

ソーラーシェアリングとは?
県HPの説明を引用させていただくと「営農を続けながら太陽光発電を行うことで、農地に支柱等を立てて、その上部に太陽光パネルを設置して発電します。営農を続けながら、農地の上部空間を有効活用することにより発電収入を得ることができますので、農業経営をサポートするというメリットがあります。さらに最近では、増加する耕作放棄地の有効活用という観点でも、活用が期待されています」となります。

県としても「かながわスマートエネルギー計画」のメニューのひとつに入れており、「再生可能エネルギーの普及やエネルギーの地産池消を目指し、普及拡大を進めています」と積極推進の姿勢です。(県HPはこちらから)
昨年5月時点での認可件数が1,000件を超えたとのこと(全国営農型発電協会HPより)。
初期投資の費用負担、原則20年間の営農継続が前提となること、作物の生育・収穫量への影響、農地一時転用の許可申請と3年に一度の継続審査手続きの負担、発電事業者の信用力など課題は少なくないと感じましたが、全国的に普及、拡大中であることは間違いなさそうです。

地主と耕作者、発電事業者のパターンと、一般的に言われるそれぞれの特徴を分類すると以下の通りです。
①すべて地主:標準的なパターン。農業委員会の許可が得やすい、
②それぞれ別の人・事業者:大規模なケースに多い。関係人が増え、地域活性化に資する。
③地主が耕作、発電は別の人・業者:地主は地代収入を得ながら営農継続。
④地主は土地を貸出、耕作と発電は別の人・業者:土地がなくても参入できる。通常、耕作者と発電事業者は法人。
⑤地主が発電事業、耕作は別の人・業者:農地の有効活用を図る地主向き。

最も関心のある我が町の農業の後継者問題や放棄地問題への対策の視点では、
①と③現実的に考え難い、
②有力だが、採算上”大規模”である必要があるとすると、対象が絞られる可能性。また、耕作だけやりたい人がいるとしても、収入面や作業効率を考えれば太陽光発電設備のない田畑の方がベターであると考えられる。ボランティアや農業体験と絡めることも考え得るが、田植えや稲刈りだけイベント的にやるのはよしとしても、日々のメンテも疎かにできず、資金・労力を行政サイドが賄う必要性が出てきそう、
④有力。町外の事業者となれば町にお金は落ちず、雇用も生まれない可能性があるが、放棄地が生まれない/なくなることはプラス、
⑤地主に資金面で余裕か、資金調達力があることが条件になりそう。また、②と同様に耕作だけやりたい人には他の選択肢の方がベターである可能性。

県西地区で、”ソーラーシェアリングを活用して育てた酒米をつかって、地元の酒蔵で日本酒を醸造する”地産地消のプロジェクトが実際に走っています。地方活性化の視点では素晴らしく!そのストーリーには非常に共感できます!。

2反農家の自分ならやるか?
とにかく放棄地にはしたくないので(放棄と言っても税金以外に、周りに迷惑をかけないために草刈りや、不法投棄対策などにコストはかかります)、②や④のパターンで選択肢のひとつにはなると思います。

とりあえず、自然災害などで発電設備が大打撃を受けたらどうなるか?太陽光パネルの盗難対策は?などもう少し勉強してみることとします。