先週、小田原市の災害ボランティアコーディネーター養成講座に参加しました。全部で5時間×3日間にわたるプログラムのうち、ほんの一部だけですが、県防災部のご担当者の話が聞けるとのことで行ってまいりました。

テーマは「神奈川県の災害対策」。神奈川県内で想定される災害とそれらへの対策、市町村と県それぞれの役割、自助・共助の重要性などについて説明をいただきました。

○現在、県下で地震被害の想定調査の対象となっている地震は6つ。①都心南部直下地震(所謂“首都直下地震”)、②三浦半島断層群の地震、③神奈川県西部地震、④東海地震、⑤南海トラフ地震、⑥大正型関東地震。

それぞれ想定される最大マグニチュード、最大震度、人的被害規模、建物被害規模、30年以内の発生確率(0~70%程度とばらつきあり)などの数字が発表されていますが、震度や被害の程度次第で地震発生直後にとるべき行動が異なるでしょうが、“どの地震か”との情報は少なくとも発生直後は特段大事とは思えませんでした。事後的な検証や今後の予測などにおいては非常に重要となるとは思いますが。

海溝型(南海トラフ地震や大正型関東地震)か内陸型かによって、津波のリスクの有無に関わってきます。ただ、県の津波浸水想定において小田原市の場合は“3分後に最大12mの津波が到来する”と想定されており、どの地震かなど判断する間もなく、地震発生直後はとにかく避難するしかないと考えられます。

○過去に小田原城の被災、修復の記録がある地震は以下の5つ。
1633年 寛永小田原地震(M7.1)、
1703年 元禄地震(M8.2)、
1782年 天明小田原地震(M7.3)、
1853年 嘉永小田原地震(M6.5)、
1923年 関東大震災(M7.9)。

関東大震災までは約70年間隔で発生していました。関東大震災後すでに95年が経過していることを踏まえると、同程度の地震がいつ起きてもおかしくないとも言えそうです。常に盤石な備えが必要であることは今更私が申し上げるまでもありません。

○被災者の救助に関して、救急隊や消防隊が被災現場に迅速に到着できない事態も想定されるため、自助と共助が非常に重要!実際に阪神淡路大震災において、生き埋めや閉じ込められた際の救助主体は“自力 35%、家族32%、友人・隣人 28%、通行人3%、救助隊2%”との調査結果が報告されています。

阪神淡路と足柄地域は人口密度や地理的条件が異なりますが、ご近所や自治会内での日頃からのコミュニケーションや絆がいざという時に重要になることは恐らく全国共通と思われます。

○河川の水位情報を入手できる代表的サイトは、①神奈川県、②国土交通省のふたつ。県防災部ではこれらを24時間365日監視し、増水時には注意喚起等のため、適宜市町村とコンタクトしているとのことでした。早速私も酒匂川(十文字橋の下流30m付近)と要定川(開成町宮台)の水位情報のページをお気に入りメニューに登録、いつでもチェックできるようにしました。
ハザードマップは前提とする雨量の時に想定される洪水浸水深を示すものですが、洪水が起きる雨量は当然示すことはできません。累積雨量やダム放流、バックウォーター等の影響も受けるであろうことから、雨量から洪水浸水の予測するにも限界がありましょう。よって最終的に最も頼りになる情報は、これらのサイトが提供する各河川の実際の水位ということになるでしょう。