「多用な人材 消防団へ ~横浜市”スカウト”効果~」との神奈川新聞の記事(10/8付)が目に留まりました。

一面では”神奈川県の消防団員数が4年連続で増加。昨年度の増加数102名は全国で最多”、”横浜市が地元事業所への呼び掛けが奏功し141名増加したことが主因”との内容。横浜市を除くと結局39名減少しており、企業や工場が多い横浜市だから可能であり、きっと大手企業から協力を得たのだろう、との先入観を持って読み進めました。(一面記事はこちらから。社会面の詳細記事はこちらから)

ところが、実態は先入観とはかなり異なっておりました。
横浜市は多様な人材の”スカウト”が軌道に乗っているとのこと、具体的には以下の通りでした。
・戸塚消防団:ヤクルトレディ15名が活動。定数充足率100%を達成中。
・南消防団:佐藤病院の看護師ら6名が加入。同病院は医療機関としは初の消防団協力事業所に。
・南消防団:自動車ディーラーの従業員40名が新規加入。
・西消防団:保育士10名が活動。女性団員の比率約40%!定数充足率100%を達成中。

大学院の授業でも”全国的に女性の団員は増えている”ことに触れられましたが、この様な事実が背景にあるとは知りませんでした。都会の女性像を見誤っていた、とも言えます。これらの事例は、各自治体内の企業の有無や大小によるところありますが、他の自治体でも参考になるでしょう。

また、秦野市で”消防士を志望する現役高校生が加入した”との事例も紹介されておりました。晴れて志望通り消防士になれた場合には、消防団員としては短期間で終わってしまいますが、それでも若者の関与はプラスだと思います。別の道を選んだ場合には消防団員を続けてもらえる可能性もありましょう。企業で言う職場体験やインターンシップを応用したものと見なすこともでき、良いアイディアだと思います。

そして、従来から主張している通り、中長期的な視野に立てば、湯河原町などが取り組んでいる”少年少女消防クラブ”が将来の担い手の育成につながり得る点で、地道ながらも効果のある制度だと考えております。

開成町においては、関係者のご努力あるも、定数割れの状態が続いております。前述の通りの”成功事例”も参考にひとりでも多くの新規加入が実現することを願います。

女子消防団員に関しては、先日、中家村自治会の女子消防隊の発足から解散に至るまでの過去の経緯を伺う機会がありましたが、自治会単体で組成・運営していくのは容易でないとの印象があります。各分団主導、もしくは町主導で女性の加入促進策を講じる方が現実的で継続性もあろうかと考えます。