3月定例議会を傍聴しました。所用あり、3名の議員の質疑しか傍聴できませんでしたが、石田史行議員より『中学生の自転車通学の解禁を』との質問がなされました。「みなみ地区にお住いの中学生の保護者より自転車通学を求める声がある。希望する主たる理由は時間を節約するため」とのこと、議員からは「不審者等から身を守るには徒歩よりも安全」との見解も示され、町の姿勢を確認されました。

近隣では小田原市や秦野市、松田町、大井町などで、距離にも応じて、一部認めている中学校があるとのことでしたが、開成町としては、事故の危険性等を理由に、現状認める意向はないとの答弁でした。

「体力や健康増進のためには徒歩の方が良い」、「余裕を持った行動が望ましい」との答弁もなされましたが、それが徒歩に限定されている理由という訳でもなく、時間を節約したいとは、恐らくは授業や部活動終了後に塾などへ向かう際など自己の都合では調整がきき難いケースと想定され、質問と若干かみ合っていないとの印象もありました。

〇認可の条件と課題
通学距離は法令で“小学校は約4㎞以内、中学校は約6㎞以内”を適正な条件として定めていますが、通学手段に関しては地域事情等に応じて各自治体に委ねられています。

県内最小の町 開成町は、南北に約4㎞×東西約2㎞の町。文命中学校までの直線距離で最も遠い所は北は金井島 横境、南はみなみ5丁目でともに約2㎞。近隣市町の事例では距離2㎞以上や3㎞以上が基準となっているとのことで、開成町で認可されても特段異例なことではないと言えそうです。

私は、安全面等の条件付きで、居住地区によって、認可を検討してもよいのではと考えます。条件は交通規則の遵守は言うに及ばず、保険の加入やヘルメット着用、定期的な整備など。

前述の不審者等から身を守るためには自転車の方が安全であり、通学時間の短縮は保護者の送迎負担を減らす効果も期待できるのが、そう考える根拠です。

ただ、交通事故に関して不安なデータがあります。
自転車事故を年齢層別で見ると、中高生の比率が著しく高いのです。安全へのそもそも意識が低いためか、まだ自動車を運転できない年齢のため公道上の危険予知能力がまだ乏しいためなどを考えられます。いずれにせよ、事故の加害者となった場合には高額の賠償を求められる可能性があるため、保険への加入は必須です。他にも、安全を確保するための道路整備の必要性や、公平性を保つために自宅と学校間のみに限定することや、非行防止等のための寄り道禁止など、課題は少なくないとは認識してます。

別の話題として、次年度から開成幼稚園にて3年保育が開始され、園児数が増加することに伴い、徒歩による通園のエリアが拡大します。通園バスの拡充やコミュニティバスの利用などの可能性はあるかもしれませんが、当面は自転車通園のニース゛が高まることは必至かと思います。大原則として事故等のリスクは自己責任であることを確認の上、自転車による送迎の可否についても議論の余地はあろうかと思います。

最後に今回の話とは直接関係ありませんが、私は3人乗り自転車の貸出事業を打ち出したいと考えております。茨城県古河市などの先行事例を参考に、町が自転車を購入し、希望する町民に貸し出し、期間中のメンテナンスは町内の店舗が担うもの。3人乗り自転車には一定の需要は存在するものの、比較的高額である上、利用期間が限定的であることに対する一手です。