3月12日(火)、開成町議会 一般会計予算に関する質疑を傍聴してきました。前回に引き続き、私なりの感想と所見を述べさせていただきます。
・”効率的な自治体経営を進めるまち”としてコンビニエンスストアなどで住民票の写しや印鑑登録証明書が取得できるサービスが10月から開始されるとのこと。予算額は約3百万円。
総務省が中心に進めるマイナンバーカード普及のための一手と理解されますが、最終的にその普及が進まなければ、特に国にとって、町としても巨額ではないにしても税金の無駄遣いに終わりかねないものです。
・平日や土曜日に、役場やぷらっとかいせいの窓口で容易に取得が可能な環境の方にとっては、町中にコンビニがある町ではありませんので、日曜日や祝日に取得できること以外は、格別のメリットはなかろうかと思います。
一方、平日並びに土曜日に、町外で勤務されている方、特に出勤が早く、帰宅が遅いような方には、勤務先周辺のコンビニでの取得が可能となり、利便性は格段に向上し、メリット大です!いずれにしても、町民にとっては有難いことであることは間違いありません。
・ただ、既にサービスを提供している自治体の利用状況を見てみると、平成28年度で利用可能な自治体の人口約8000万人に対して、156万件、約2%に過ぎません。開成町がサービス提供予定の住民票と印鑑証明書以外に、戸籍証明書や各種税証明書などを交付している自治体を含めてこの数字です。
サービスを受ける要件であるマイナンバーカードの普及率が、全国平均で11.5%(平成30年7月時点。開成町は11.7%)にとどまっていることがサービス利用率が低迷している主因であることは明らかです。国も各自治体もその普及のために様々取り組んでおりますが、なかなか結果に結びついていません。将来的に多くの個人情報が共有される方向にあることへの忌避感、なくても特段不便ではない現実(私も昨年、発行しましたが、まだ一度も利用する機会がありません)、紛失したら面倒であることなどが国民側の理屈かと思います。
・問題のコストですが、次年度の町の予算額(案)は約3百万円。導入当初は国からの財政支援があるはずで、真水の負担額はその半分程度かも知れません。いずれにせよ、将来的には、町が支払うシステムの運営負担金に見合った利用がなければ、割高な住民票の発行となります。(マイナンバー普及の効果や町民が得られるメリットを貨幣換算することはできませんが)
町としてもマイナンバーカードの普及に努める必要があり、その普及がコンビニ交付のサービス提供コストを引き下げることにつながります。マイナンバーカードが住基カードの二の舞となってしまうのではとの憶測も消えない中で、普及活動もただではないことがジレンマではあります。ただ、限られた情報の中で簡単に試算してみると、普及率が現在の倍程度である20~30%程度まで上昇すれば、コンビニ交付のサービス提供コストを回収できる可能性があるように思えます。普及率の高い自治体の先行事例も参考にしつつ、住民の皆さんから知恵を拝借するのも手かもしれません。
『ゆたかにかえる。先見と行動』