日経リサーチの調査によれば(1月18日 日経朝刊)、調査対象の”最近5年間で人口が10%以上減少した220市町村”のうち50%以上が、5~10年後にインフラの新設を止めるとのこと。
神奈川県内で調査対象に該当したのは、昨年4月県内初の過疎地域に指定された真鶴町のみですが、いずれはすべての自治体が直面するであろう事態、自分事としてみるべきでしょう。ただ、いずれにしても既に著しい人口減少に見舞われながらも、新設を止めない自治体が半分近くあることは驚きです。過年度において縮減・統廃合済み、ということでしょうか。
開成町においては昨年3月”公共施設等総合管理計画”にて、施設類型ごとの基本方針が公表されております。庁舎建て替えについてはご案内の通りですが、全体としての基本方針は、総量に関しては”適正な数量を保つための施策が必要”、コストに関しても”適正性を保つ施策が必要”との表現にとどめております(と私は理解しました)。
町制施行以来、人口が減ったことがなく、向こう数年間も増加を見込み、以降2050年頃までも19,000人台前半で横ばいとの想定に基づけば、現時点で少なくとも減らす方針でないことは首肯し得ます。
しかしながら、公会計先進自治体である秦野市は、結果的に人口が一旦ピークを打った平成22年に”公共施設再配置計画”を策定し、”向こう40年間で施設総面積を31%削減する方針”を打ち出しました。この決定が正しかったかどうかは将来判明するとして、取り組みとして参考とすべき実例が身近にあることは有難いことです。
また、公共施設更新の判断基準は老朽化の視点のみならず、施設毎の維持管理運営コスト(人件費や各種経費等)も重要となります(参照:稲城市の同計画書)。小規模自治体の場合はマンパワーの問題がありますが、適正な判断をなすには本来は必要な作業でしょう。