先週、今年度の「国民生活に関する世論調査」が公表されました。(詳しくはこちらの内閣府HPから)
昭和32年以降、毎年、内閣府が18歳以上の1万人を対象に調査しているもので、今年度は6月に実施されました。生活の満足度や悩みや不安の内容、自由時間の過ごし方、今後の生活の見通し、働く目的など20を超える調査項目があります。ここでは”政府に対する要望”に関する調査結果から、国民が求めているもの、期待しているものを過去との比較を含め確認してみます。
○トップ5は?
質問内容は”今後、政府にどのようなことに力を入れるべきだと思うか?”、33個の選択肢の中から選択するもの(複数回答可)。選択された割合が高い回答の5位までは以下の通りでした。
1位.”医療・年金等の社会保障の整備” 64.6%。平成10年の46.1%から平成20年に72.8%まで上昇後、低下傾向にあるが、15年連続の1位。
2位.”高齢社会対策” 52.4%。こちらも平成10年の45.8%から平成21年に58.1%まで上昇後、緩やかな低下傾向にあるが、第2位。
3位.”景気対策” 50.6%。平成22年の69.3%から9年の連続の低下。
4位.”雇用・労働問題への対応” 36.7%。景気対策と同様に平成21年の51.1%から低下基調にある。
5位.”少子化対策” 36.3%。増加基調、平成10年の16.6%から倍以上の増加、順位も28項目中の18位から5位まで上昇。
やはり、健康や命、老後の生活に関する要望が強い。1位の”医療・年金等の社会保障の整備”と2位の”高齢社会対策”を選らんだ人は、大都市、女性、50~60歳台で特に多かったとのこと。
景気や雇用に関する要望も強いが、2012年以降の景気回復基調の中にあり、労働需給の改善を反映して低下傾向にある。ただ、景気対策は18歳~39歳の年齢層では第1位であり、景気回復を実感できていない、その恩恵を享受できていない可能性が示唆されている。
少子化対策。出生数は1973年以降減少し続けているが、生産年齢人口や全体の人口が増加し続けていたためか、平成に入るまで国民の関心は低かったと言える。近年、ことの深刻さが真に認識され、この調査結果にも表れてきた格好。
この調査はあくまで国に対する要望ですが、地方自治体にとっても参考になるものです。大衆迎合的な対応に陥ってしまってはいけませんが、”世論や国民の要望内容”とその推移・変遷をしっかりと把握した上で、今後の社会環境の変化を見通しながら、適切な行財政運営は図ることが重要だと思います。
次回は私のミニ集会におけるアンケート結果から、開成町にお住まいの方々の関心事やニーズについて触れてみたいと思います。