愚息が就職活動真っ最中ということもあり、”就活”の文字に敏感な今日この頃、情報誌”日経グローカル”の”自治体にも働き方改革の波”との特集記事の中の「北海道、職員の採用で内定者の6割が辞退」との文字に目が留まりました。

昨年10月の知事さんの会見にてこの件に関して質疑応答がなされているため、古いニュースではありますが、恥ずかしながら私は初めて知りました。

その背景は、売り手市場の都市は概して公務員人気は陰るとされること、人手不足による民間との奪い合い、北海道が広域であるという特殊性などで説明されたものの、北海道以外の自治体も危機感を募らせているとの内容でした。

要は、ワークライフバランスをより重視する学生の志向の変化などに対応し、自治体も働き方改革により真剣に取り組まなければ、人気低下が続いてしまうのではないか、との懸念です。

○まずはPR
ネットで”公務員 売り手市場”で検索してみたところ、奈良県生駒市は公務員の仕事をまず知ってもらおうとコミカルな説明資料と動画を作成、長野県中野市も職員さん出演によるPR動画を作成するなどの取り組みを知りました。賛否があるかも知れませんが、生駒市は応募者数が4倍となり、効果はありました。
(生駒市職員採用ムービー”生駒は違う”はこちらから)
(中野市 職員募集動画はこちらから)

○働き方改革
ただ、私が申し上げるまでもなく、より大事なことは、志のある人、より志の高い人をいかに採用できるかだと思います。志向の変化や、女性が働き易い環境を作るという社会的課題(2016年の地方公務員試験の受験者数と合格者数に占める女性の割合は、それぞれ約3割と約4割)に対応し、且つ民間企業や自治体間の競合にいかに勝つかを考えれば、働き方改革への取り組みは必須となりましょう。

○フレックス、ノー残業、イクボス
各都道府県・市の取り組み事例の一覧が掲載されておりますが、勤務時間のフレックス制度、ノー残業日・週の設定、イクボス普及(※1)などが目立ちます。(県ではテレワーク推進が非常に多いですが、町レベルではあまり参考にならないと思われます)

※1:「イクボス」とは、男性の従業員や部下の育児参加に理解のある経営者や上司のことです。 子育てに積極的に関わる男性をイクメンと呼ぶのに倣い、そのイクメンを職場で支援するために、部下の育児休業取得を促すなど、仕事と育児を両立しやすい環境の整備に努めるリーダーをイクボスと呼びます(kotobank より)

○長期休暇の選択肢
働き方改革のアイディアは各自治体の条件・事情次第によって様々考えられるでしょうが、長期休暇の選択肢を設ける案はいかがでしょうか。休暇の取得は、当然職場での業務カバー体制や同僚とのバランスに配慮しながらも、個人の希望を最大限尊重した方がよいを考えられ、ばらばらに休みたい人がいる一方で、長期休暇を好む人も少なくないと思います。

私が勤務した日本長期信用銀行では、毎年1週間×2回、勤続10年目と20年目に1ケ月間の休暇制度がありました(選択ではなく強制でした)。仕事にメリハリをつけ、真にリフレッシュするには、ノー残業日・週もよいのですが、当時の自らの実体験も踏まえた意見として、長期休暇も効果があると思います。3日間ではできないが・行けないが、1週間あればできること・行けるところがあり、2週間ではできないが1ケ月あればやってみたいことがあります。

公務員で1ケ月間は法律上無理ですが、制度上許される範囲内で、長期休暇を取り易い制度もしくは環境を整備することによって、職員さんの士気も高まり、現代の若者の採用にもプラスに作用するのではないかと考えます。因みに三重県松阪市では推奨する取り組みがなされております。

話が長くなってしまいました・・・。(働き方改革ではなく)採用における魅力づくりに関してひとつ、明日述べたいと思います。