「2030年の人手不足、2030年に644万人、昨年比5倍以上に」、10/23~10/24 NHKはじめ各メディアが伝えました(日経ニュースサイトはこちらから)。(株)パーソル研究所(HPはこちらから)と中央大学の調査によるもので、昨年時点の人手不足121万人(厚労省試算)と比較すると5倍以上になるとし、新たな労働の担い手として女性、シニア、外国人の就労を促す必要があると提言しております。
具体的には、以下の通り労働者の増加が見込める、としております。
女性: 保育の受け皿を増やし、M字カーブ(子育て期の女性の就業率が下がる現象)が完全に解消されれば、102万人。
シニア: 定年延長などで男性22万人、女性141万人の合計163万人。女性の方が活躍の幅が広い。
外国人: 政府が進める受け入れ施策が拡大すれば81万人。
これら合計は346万人、見込まれる不足644万人の約半分。残りの約300万人は、人口知能(AI)などによる生産性の向上で補うことができるとしております。
因みにパーソル研究所は今年1月に発表したレポートにおいて、2025年の人手不足は583万人、その内訳は情報通信・サービス業で482万人、卸売・小売業で188万人としており、その時点で既にアルバイトを確保できないことから閉鎖に追い込まれた卸売・小売業が出ている、としております。また、経産省はこの5月時点で、介護人材が2025年に43万人、2035年には79万人不足すると試算しております。
労働力を補うための施策は、国家の課題として国主導でなされ、その下で民間企業が如何に対応するかに因るところが大きいと考えます。ただ、基礎自治体としてもできることは少なくなく、その取り組みの如何によって地元の経済等が受ける影響はプラスにもマイナスにもなり得るでしょう。
具体的には、まず潜在的に最も開拓・発掘の余地が大きく、期待のかかる女性の就労支援が挙げられ、保育施設の充実やOAやITスキル習得へのサポート、介護負担の軽減策などが考えられましょう。
外国人に関しては、岡山県美作市の「外国人3000人構想」に代表される積極的な受け入れ策に追随する自治体が増えてもまったくおかしくありません。いきなりそこまで積極展開は無理としても、少なくとも居住及び勤務外国人への日本語教育の実施や異文化交流など通じて、お互いに受け入れ、融和を図ることによって、外国人との共生に向けて真剣に取り組むべき時代に突入しつつあると思います。私がいまさら申し上げるまでもないですが、先進国がいまだ経験したことのない少子高齢・人口減少社会、インバウンドのみならず労働力の不足を補う点でも外国人への依存が高まることは確実です。
セクターは問わず、女性・シニアなどを通じて、サテライトオフィスやシェアオフィスなどの誘致も、働き方改革の流れや職住近接で柔軟な働き方に資することも踏まえれば、就労支援につながる可能性があると思います。神奈川県県西地域においては、利便性の点で小田原市が勝りますが、開成町においても小田急急行停車による利便性の格段の向上や、その一方で自然にも恵まれた静かな環境も売りにできること、首都直下型地震などを想定した事業継続計画(BCP)にも組み込める可能性などから、十分に取り組み可能であると考えます。