7/25(水)、日経グローカルセミナー「人口減少時代の財政健全化のヒント~老朽施設の更新へPPP/PFI(※1)など知恵を絞る~」(講師:大和総研 鈴木文彦氏)に出席しました。
※1: PPP = Public Private Partnership, PFI = Private Finance Initiative

人口減少・少子高齢社会における公共施設整備について、講師の主な主張は以下の通りでした。
・予算制約が厳しくなる。民間では当たり前だが、設備投資は余剰資金(営業利益+減価償却費)の範囲内とする。
・多目的化、転用可能とするなど発想を変える。
・高齢化によりニーズが多様化することに対応する。

庁舎整備において、既存施設を改装して再利用した実例が多く紹介されました。自らの無知を恥じながらも、既に多くの自治体が本格的に“人口減少を踏まえた態勢”に入っていることを如実に示すものと感じました。

具体的には、元百貨店(2014年 栃木市他)、元ショッピングセンター(2015年 土浦市他)、体育館(2015年 氷見市)、元工場(2008年 山梨市他)、元オフィスビル(2017年 守口市)、元病院(2014年 長浜市他)、元校舎(多数)などです。
PFIや指定管理制度を利用した多くの成功・失敗実例を引き合いに、今後ますます民間の資金・能力を活用する必要性が説かれました。

講師はPFIを以下の様に定義しました。
「PFIとは“より低廉またはサービスの向上を目的に、民間の資金、民間の経営能力または民間の技術的能力を活用した、自治体等が実施する公共施設等の整備等の方法”」

さらに、教科書的ではなく、より分かり易い表現として、以下の様に意訳されました。(英国から輸入された仕組みであるため、横文字が多いです)
「PFIとは“より低廉またはサービスの向上を目的に、民間がリスクを負って、民間の集客力または民間のValue Engineering(※2)、Project Management(※3)、経験効果等を発揮するのに十分な程度の一括発注による公共施設等の整備等の方法”」

※2: 製品やサービスなどの価値(=製造・提供コストあたりの 機能・性能・満足度など)を最大にしようという手法。
※3:プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動のこと。各活動の計画立案、日程表の作成、進捗管理などが含まれる。

私が住む開成町など小規模自治体は、大規模自治体と比べ保有する公共施設の数が少なく、それぞれの規模も小さいですが、民間の資金・知恵を今後ますます活用すべきであるという点は共通の課題です。

また、今回の話を聞いて、小規模自治体においては各種施設の最適配置に関して、それぞれの自治体がフルセットで各種施設を装備する時代ではなくなりつつあり、広域・圏域で考えていくことがより重要になるであろうとの見方があらためて強くなりました。