大学院講座『社会起業活動』にて、板橋区でこどもの居場所づくりなどに取り組むNPO法人ドリームタウンの井上温子代表を外部講師にお招きし、お話を伺いました。
高島平に拠点を構えてらっしゃるということで、団地住民の高齢化や孤立という課題への取り組みが中心との先入観がありましたが、“子ども”を中心に世代や国籍、障がいの有無などを超えた人と人との接点の場をつくるために、幅広く活動されてらっしゃいました。
NPOの代表を務めつつ、区議会議員でもあり、立教大学大学院にも通う少なくとも3足以上の草鞋を履くスーパーウーマンでした!
○代表的な事業
主な事業は以下の4つ。
・おうちごはん(目的:孤立しがちな高齢者や乳幼児親子の居場所づくり。年間240日開催)
・おかえりごはん(目的:孤立しがちな子どもたちの居場所づくり。年間80日開催)
・通所型サービスB(目的:要支援者やチェックリスト対象者の通いの場。年間20日開催)
・森の住人さんサポート(目的:ホームレス支援。週2日、板橋福祉工場から寄付されたパンを提供)
問題意識は「核家族化・共働き・一人暮らしの増加 → 家庭内での支え合い低下 → 課題の抱え込み・孤立」にあり、目指すところは「地域でリビングを持ち、地域で暮らす → 人と人との接点が生まれ、課題を共有 → 地域での支え合い向上」。課題解決に向けて日々“実践”されてらっしゃいました!(ホームページはこちらから)
○どのようにボランティアが増えたの?
最初は4名だけだったボランティアが増加、お陰で“おうちごはん”は年間240日も開催できるようになった。ボランティアはどのようにして増えたか?
飲食店ではなく、共有する場があるだけで、月に数回だけ昼ごはんを提供していたことに対して、
利用者『明日は食べるものないの?』
ボランティア『作る人がいないと食べるものもない。得意料理があったら、作ってもらえませんか?』
みたいなやり取りが繰り返されるうちに自然に増えていったとのこと。要は、利用者から担い手になってくれる方が増えたとのことでした。食べるものや場を提供するだけではない、『作ってもらえませんか?』との投げかけ・・・これですね!
○今後の目標
板橋区のコミュニティスペース15団体で「いたばしコミュニティスペース連絡会」を組織化。コミュニティスペースがコンビニエンスストアくらいあるまちづくりを目指してらっしゃいました。
”居場所づくり”に対する思いの強さと実際の行動力は簡単に真似できるレベルではないと感じましたが、地域の他団体との連携など非常に参考になる実例でした。