先日、数ある”三田会”のひとつ”地方創生三田会”の第4回会合に出席、佐渡市 尾畑酒造の尾畑留美子専務より”学校蔵”の取り組みを中心に貴重なお話を伺いました。
尾畑酒造さんは創業126年の歴史を有し、代表銘柄は「真野鶴」、全国新酒鑑評会『金賞』11回、IWC『ゴールドメダル』3回など数々の受賞歴を誇る由緒ある酒蔵です。
前段で酒造業界の動向や、佐渡島で朱鷺が減った理由とそれに対する”低農薬低化学肥料米”の取り組み、牡蠣殻の肥料化などについてご説明いただき、本題の「学校蔵」のお話に。 学校蔵とは、2010年に廃校となってしまった「日本一夕日がきれいな小学校」西三川小学校を2014年に仕込み蔵として再生させたもの。(ホームページはこちらから)。学校蔵を舞台にした様々なことに取り組まれてますが、その原動力は”佐渡への愛”に尽きるとの印象でした。会社のHPにて案内等されてますが、あくまで個人の活動とのことで、佐渡の活性化に対する並々ならぬ思いが伝わってきました。
「学校蔵の特別授業」を毎年6月に開催。藻谷浩介さんや東大の玄田有史教授らを毎度講師に招き、日本の将来への提言を発信されてます。ちなみにテーマは「島と日本酒から導き出す地域の可能性」、「地方の希望」、「地方で起業」、「幸せを産む働き方」など。地元高校生も参画、本土からの参加者も多数、会場の教室は毎年超満員。恒例行事として定着した感じです。
他に、仕込みタンク1本につき一週間の学び期間を設けて、仕込み体験希望者を受け入れたり、酒蔵センシングこと酒蔵ロボット「モロミ君」を導入するなど観光振興や先進的な酒造りにも挑戦。
これは面白く、ぜひとも参考にさせていただきたいと感じたのが”様々な企業や学校とのコラボレーションワーク”。仕込みタンク1つをひとつの企業に割り当て、社員が酒造りを体験、オリジナルのお酒を造るプログラム。
オリジナルのお酒を仕込み→ラベル等も個別に用意され、世界にひとつだけのお酒の出来上がり!→仕込み期間中はもとより、その後は佐渡観光のリピーターとして再訪、というwin-win。
タンクを割り当てられるだけの許容規模があれば応用可能な仕組み。また、必ずしも日本酒でなくても、例えば”稲作”でも応用できる。田んぼをお借りし、企業研修や奉仕活動の一環として”稲作”に取り組んでいただき、できたお米を社員食堂で食べていただく。東京から日帰り可能な足柄地域なら十分対応可能なアイディア、いかがでしょう。