日経グローカル9/17号の中で「町田市、保育所・幼稚園向けの災害対応ガイドラインを作成」との記事を発見しました。
災害対応のマニュアル策定のポイント、災害発生前後に必要な対応などについてまとめたものとのこと、早速チェックしてみました。(ガイドラインはこちらから)
内容については後述させていただくとして、この都内自治体では初とされるガイドラインの策定に貢献したと推測されるのは、首都大学東京の市古太郎教授と三井住友海上火災保険。市古教授は都市防災・災害復興を専門とする所謂プロ、特にこの分野はプロの関与が求められる領域であり、理想的な方が参画されたと羨ましい限りです。実際の災害発生時に役立つよう、単なる文章の列記ではない構成や、要所に挿入されている”Point!”欄のかなり細部にわたるアドバイスは場数を踏んだ方ならではとの印象です。
そして、後者は、先に締結した包括連携協定に基づき作成に協力したとのこと。今後、研修や訓練も実施予定とのことで、こちらもまた現場経験や実際の災害関連データの豊富な大企業という理想的なパートナーの存在、羨ましいです。
内容に関して何点か感想を述べさせていただきます。
・石巻市の保育園の先生方の震災経験に関する生の声は貴重なもので、説得力がある。
・事前備えと発災時対応という2段階の危機管理を明確に区分しており、構成が分かり易い。
・災害リスクの把握を各園に求めており、自分事としての関与を促す狙いがありそう。
・各園の取り組み事例紹介は相互に参考になる。同時に、競争意識を高める効果もありそう。
この水準のものが作成できるのは大規模自治体だからが故かもしれない。ただ、小規模自治体においても連携して共同で、指導いただけるプロを招聘するなど対応は可能でしょう。(小学校の話ではありますが)現実問題として、事前の備えの差にもよって、釜石の軌跡と石巻市大川小学校の惨事といういずれの結果も起こり得ることから、子どもの命を守るために、できることはやっておくべきだと考えます。