新元号が新天皇即位の1ケ月前の4月1日に公表されると決まりました。その1ケ月間は官民問わず、新元号への準備に大わらわとなりそうですね。

“平成元年”に大学を卒業し、会社に入社、その後バブルのピークと崩壊を経験し、転職と(元)勤務先の破綻、転職先の合併と二度目の転職と自主退社という激動の30年間を過ごした私にとって、“平成”の終わりは非常に感慨深いものがあります。

ネットでは新年号の予想が盛んになされておりますが、私も私なりに考えてみました。余談ですが、英語で元号はImperial era name。Eraはラテン語のaera アエラ(ある出来事から始まる年代を指す語)に由来とのこと。

まず、新元号を決める際のルールですが、元号法に則り且つ以下のような具体的な要領によって選定されるとのことです。①国民の理想としてふさわしい意味を持つ、②漢字2字、③書きやすい、④読みやすい、⑤これまでに元号やおくり名として用いられていない、⑥俗用(日常的に使用)されていないこと。

また、『平成』『昭和』『大正』『明治』と同じ頭文字は避けられるとの見方が有力とされ、“H、S、T、M以外“すなわち”さ行、た行、は行、ま行“以外で始まる名前となる可能性が高いと言われております。

近年の日中関係を踏まえれば、平成や昭和などとは異なり、中国の古典以外から引用される可能性も指摘されておりますが、新元号に込められる思いとして以下の様な漢字が用いられると勝手に予想します。

(1)まず、平成(内平外成・地平天成。国の内外、天地ともに平和が達成される)や昭和(百姓昭明・協和萬邦。国民の平和および世界各国の共存繁栄)と同じく、世界平和への願いから“平”、“和”、“泰”、“安”。

(2)近年増加している自然災害からの被害を避けたいとの願いから、“安”、“泰”、“穏”、“寧“、”康“。

(3)世界的な目標として掲げられたSDGsの精神から、持続可能性の“永”、“久”、共生や共存の“共”、“協”、幸福感から“福”、“仁”、“裕“、”豊“。

(4)人類未曾有の少子高齢社会への突入を前にややもすると暗い雰囲気になることを回避する意味合いで、“明”、“前”、“楽”、“安”、“天”、“喜”、“福”。

ネットの予想ランキングでも“平和”や“安久”などが人気です。ただ、人気の“安”ですが、嫁いできた新婦が祖先の霊を祀っている廟(みたまや)に座っている形とされており、“女性が家の中にいる”とも解釈されることから、女性の社会進出を促進し、男女平等社会に向かう方向性に反するため不可、との意見がありました。いずれにせよ、明るくポジティブなものであることを願います。

今年のゴールデンウィークは最大で10連休。早くも海外旅行の予約が好調に推移しており、昨年過去最高を更新した年間の海外旅行者数を予想する声も聞かれるなど、経済波及効果が期待されています。平成が自粛ムードに包まれて始まったこととは異なり、今回は生前退位により、祝賀ムードが高まる可能性もあり、新元号が景気に大きくプラスに作用することも期待できそうです。果たして新年号は何になるか、楽しみに待つこととします。