去る日曜日、平成29年11月の開業以来、2年弱で来館者が600万人を突破した超人気施設「大和市文化創造拠点 シリウス」に遅ればせながら初めて行ってきました。図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内こども広場の4つの施設を核とし、商業施設と大和市役所連絡所を備えた複合施設。その中心は6フロアのうち5フロアに入る図書館、これだけの来館者を誇る施設、正に“こんな図書館あったらいいなぁ”との感想です。
ただ、人気があり過ぎるが故に、大和市民がどれだけ市民としてのメリットを得られているか、多少疑問にもなりました。東名高速道路の高架に掲げられた横断幕の言う通り『日本一の図書館の街 大和市』として知名度は上がり、イメージも相当良くなることから、その効果は、数値化こそ難しいものの、非常に大きいのは間違いない!
しかし、相互利用協定に基づき近隣市町在住(厚木・綾瀬・伊勢原・海老名・相模原・座間・秦野・藤沢・横浜の各市、愛川町、清川村)の方も利用登録が可能で、それら以外に在住の方でも学習スペースや無料スペースなどは利用ができてしまうことから、市民=納税者であることの優位性がほとんどないのでは?、市外からのアクセスも申し分ないことから、移住を促す決定的要因にはなり難いのではないか?と心配になりました。
いずれにせよ、既にご存知の方も多いとは思いますが、“どんな”図書館か、簡単にお伝えします。
①とにかく利便性が良い。大和駅から徒歩3分。休みは元旦と大晦日のみ。フロアによるが概ね9時から21時までオープン。無料の無線LANサービスも利用可能。
②とにかく学習や読書のためのスペースが広く、座席数が多い!インターネット利用のための座席に空きがあったが、それ以外満席。中高生が8割との印象。
③子ども向けのフロア(3階)や“健康”に特化したフロア(4階)は目的と対象を絞り込んだ設計であり、興味深い。来館者の同年代の子や親の間で交流が生まれそうであり、仲間を連れだって訪れるグループも少なくなさそう。
④交流スペースも非常に充実。有料スペースにはプライベート感があり目的に応じて利用価値がありそう(この日は閉鎖)。無料スペースはたまり場・集合場所等としてのニーズに応え、超満員。
トータルで誠に申し分のない羨ましい限りの施設。仮に近くにこれだけのものがあれば、かなり頻繁に訪れることになりそう。しかしながら、週末は相当混むとされ、学習スペース確保のために開館前から列ができるとのこと。仕切りのある静かなスペースならまだしも、オープンスペースでは多少騒々しさも気になりそう(空席を探して歩く人少なくなし)。
個人的にはどうしても学習スペース・座席数が気になってしまいます。シリウスの学習スペースは約300席程度でしたが、単純に人口の規模で換算すると、“人口が1/13の開成町にとっては、25席程度の学習スペースがあればシリウス並み”と言える。また、住民の交流スペースに関しても、開成町においても年代を問わず、一定程度の需要があるものと考えられます。
開成町の新庁舎もしくは空きスペースが見込まれる町民センターにおいては、住民の皆さんに最大限有効に活用していただけるよう、(1)無料の無線LAN環境が整備され、(2)無料で、(3)気軽に利用できる学習スペースと交流スペースを十分に確保すべきと考えます。利用ニーズに合致する上、クールシェアやウォームシェアにも資することから節電にも貢献します。