大学院「自治体行政と危機管理」14回目。講師は総務省の現役官僚、非常に貴重で得難い経験。岩手県庁赴任中に被災された実体験に基づく現場の生の声には重みがあります。

これまでは災害対策や危機管理における体制、組織、法律、財政制度など国レベルのテーマが多かったが、今日は”自助・共助による対応力の強化”として消防団や自主防災組織に関する若干身近な話。

総務省”消防団員の確保方策等に関する検討会”では、
○大規模災害の発生が懸念される中、消防団の災害対応能力の向上が不可欠 → 基本団員の確保が引き続き重要。団員数の目標を100万人に設定(現在85万人) → 女性や学生の加入促進や事業所との協力体制強化を図る方針。

○同時に、基本団員ではないが、大規模災害時に限定して出動する”大規模災害団員”の導入を促進。

今般、開成町でも地域防災リーダーを養成することが決定したが、基本団員の役割を補うという意味では似た発想。基本団員すなわち常勤の正社員が集まり難い状況下、位置付けや期待値は異なるものの、善後策としては正しい方向にあると考える。

ただ、いざ大規模災害が発生した際には、それらの戦力をマネージできるプロの人材が不可欠だろう。知識はさておき、被災地での経験が乏しいもしくはないサラリーマンには荷が重く、リスクが大きい。内閣府の地域防災マネージャー制度の活用がひとつの選択肢となろう。財政的な問題をクリアする必要はあるが。

※総務省”消防団員の確保方策等に関する検討会”の報告書はこちらから。
※地域防災マネージャー制度について:地域防災マネージャー制度、
地域防災マネージャー制度2