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先月、東洋大学大学院公民連携専攻の“リーダー論”の授業にて、島根県浜田市の久保田市長より講義をいただきました。全国に広く太い人脈をお持ちの関教授が多くの候補者の中から人選いただいた時点で、どのようなお話をうかがえるか、もうワクワクでした。

浜田市について

まず、浜田市ですが、平成の大合併にて2005年、1市3町1村が合併、面積は約690㎢。神奈川県西部の2市8町合わせても約635㎢ですから、その広さが分かります。人口は約5万2千人。残念ながら1955年以降減少が続いています。直近30年は社会動態、自然動態いずれもマイナスが続いており、非常に厳しい状態です。高齢化率も37%台と全国平均よりもかなり高い水準であり、少子高齢人口減少に悩む地方都市の象徴のように見えます。

独自の取り組み

ただ、浜田市では以下にご紹介するような独自の取り組みを実施しており、一定の効果も出ています。何事においてもそう思うのですが、結果が出ていないからといって(この場合は人口が減り続けているからといって)、政策が足りないとか、策が間違っているわけではないと考えます。様々な策を講じてもこの現実、講じなければもしくは誤った策であればもっと厳しい状況に陥っているケースは多々あると思います。

興味を覚えた独自の取り組みとしては、産業面では、①地場の農業や水産業を振興するために、目的やターゲットを明確にした“販路開拓専門部隊”や“広島市場開拓室”を産業経済部内に設置したこと、②同様に、バイヤーや小売店向けに、農業・水産業者104社で“浜田市特産品ガイド”を作成し、市役所自体が営業を展開していること、③ふるさと納税の品目を600弱まで拡大中であること(寄付額は中国地方で最大)などです。市役所職員が市の営業マンと化していました!

定住人口増加のための取り組み

また、定住人口を増やす策も独特なものがありました。①シングルペアレントを介護人材として積極的に受け入れる事業、②音楽のスキルを有する若者の移住を促進する事業です。

①は、浜田市における介護人材難と全国的なひとり親世帯の生活困窮問題という課題に対して、地方都市における子育てしやすい環境(待機児童なし。コンパクトな市街地と生活圏の狭さ)という強味を活かしたものです。

②は、音大生でも音楽に携わる仕事に就ける人は少なく、音楽を続けるにも練習環境が厳しい(コスト、騒音など)といった課題に対して、地元の音楽団体における需要をマッチングさせた格好。勤務時間は6時間/日のみとし、自らの研鑽にも時間を割ける制度設計に。昨年、3名の募集に対して14名の応募。結果的に浜田市で8名、お隣の江津市で6名を採用し、全員が移住されたとのこと。

他にも、浜田開府400周年事業に絡めて、“全国の浜田さんいらっしゃい”という面白い事業を展開。400名弱が同市を訪れ、メルマガ登録も600名を超えたとのことです。

企業誘致の決め手は?

講義中、東京からIT企業を1社、長野県から農業法人1社、県内益田市から酪農業者1社の企業誘致に成功した!とのお話があった。質疑応答において、“決め手は?”と質問したところ、『 トップセールスです 』と即答されました。私はその単純かつ明快な答えに、胸がすぅーと、爽快な気分がしました。やっぱりそうですよね。私も是非がんぱりたい!との思いを強くした次第です。





#聞きます #やります #やり遂げます

先見と行動

山神 ゆたか

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