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企業版ふるさと納税が増加しているとの報道。全回、の推移や足柄地域での実績等を確認しました。今回は、寄附受入額の多い自治体の特徴などを確認の上、今後を展望してみます。
寄附受入額が多い自治体の特徴は?
受入額が多い自治体はどのような経緯で多額の寄附を集めているのでしょう?累計額で見た方が実態が掴めそうですが、今回は令和3年度1年間の実績で見てみます。
上位10自治体と見ますと、自治体との事業上のつながりやゆかりがあるパターンと”プロジェクト”に関連したパターンのふたつに分けられそうです。
前者の代表例は、1位の静岡県裾野市(17億円)におけるトヨタ自動車です。累計額で1位の青森県東通町(累計18億円)も東北電力はじめ原子力発電関連企業が主な寄附企業です。
一方、後者は、2位群馬県太田市(10億円)のバスケットボールアリーナ新設、3位徳島県神山町(10億円)の“神山まるごと高専”(IT起業家育成のための高専)設立、4位北海道当別町(9億円)のJR新駅周辺のまちづくり、6位北海道大樹町(7億円)の“宇宙版シリコンバレー“(宇宙港の機能拡充。航空宇宙関連企業の集積とビジネス推進)などが挙げられます。
結論から言うと、それぞれの自治体と歴史的に事業上のつながりがあったり、プロジェクトへの関与など何らかの関係がある企業が寄附しているケースがほとんどであると見受けられます。
これまでまったく関係のなかった自治体に、個別のプロジェクトや課題克服のための取り組みの内容への“共感”のみで寄附した事例は現時点では、あったとしても極めてまれではないかと思われます。
異彩を放つ自治体・境町
そんな中で異彩を放っているのが茨城県境町です。令和3年度は8位(4億円)、累計額では3い(17億円)にランクされています。
これまで関係が一切ない企業に対しても、様々なネットワークを駆使して町長が“トップセールス”をしかけており、その効果が見事に数字に表れているからです。それぞれの企業が関心を示す活用事業のみならず、税の軽減効果が最大となる寄付額の規模まで提案しているとのこと。そこまでやる自治体があるということです、見習いたいです。
まだまだ増えます
企業版ふるさと納税はまだまだ増えると思います。その根拠は大きく3つです。
① SDGsの普及などを背景に企業の社会的責任が問われ、ESG投資(※1)も急増する中で、企業の社会・地域貢献活動は活発化していること
② 国としても、地方創生のために税額控除を最大9割まで拡充するなど、積極推進のスタンスであること
③ 国、地方(道府県、市町村)の財政はひっ迫していること
開成町としても取り組まない手はありません。開成町は昨年度末に計画が新規に認定されたばかりで実績はありません。
代表的な社会課題である少子高齢化や環境・エネルギー、防災減災関連のみならず、開成町ならでは課題の克服のため、もしくは教育や文化芸能・スポーツ分野などで積極的に取り組みたい事業において積極的な働き方をしていくべきです。
理想的には、企業から“共感”をいただきながら、かつ寄附していただく企業にもメリットのあるWin-Winの関係性を長期にわたり築く展開を目指して、果敢にトップセールスを実践していきたいです。
※1 ESG投資: 財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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