ソウル市視察の報告の第4弾です。

○ソウル駅
・改札がありません。ドイツはじめ欧州でもないのが普通でありますが、駅務の合理化を突き詰めたところ、こうなったとのこと。新幹線など指定席がある列車では車内検札はあります。
不正乗車が社会問題化しているようで、国会でも議論されたとのことであり、個人的には継続性に多少を疑問を感じました。ただ、我が講師は、不正乗車による僅かな損失と、自動改札機の設置とメンテナンス料(1000万円+10%/年)を比較すれば改札なしの方がコスト低く、その分運賃が安くなり、利用者にメリットがあるとの主張。

過去に日本の鉄道会社幹部も案内したそうだが、強い関心は示すものの結局変わらない。グループ企業が製造・納入しているためとし、日本人が割高な運賃を払い続けていることに歯痒い思いをされている。

因みに運賃を比較すると、ソウル-釜山間(417㎞。2時間半)が約6,000円に対し東京-岐阜羽島間(382㎞。2時間弱)は10,500円。

・駅構内に出国カウンターあり。日本でも箱崎にあったが(T-CAT)、米国テロ事件等を受けたセキュリティー強化などに閉鎖された。空港の混雑緩和以外に、余った時間でソウル市内や空港で買い物をしてもらい、より多くのお金を落としてもらう狙いもあるとのこと。セキュリティーと利便性の二択ではないのだろうが、便利であることは確かである。

○葬儀場
・延世大学グループが経営。巨大附属病院(2,255床)に隣接。
・ロビーに電子看板あり、亡くなられた方の画像・略歴・葬儀案内などを結構大きめに表示。なんとスターバックスが店を構えており、一見ホテルのロビーの様。明るい雰囲気を演出する狙いがあるとの説明だった。

・最も驚かされたのが、香典をロビーに設置された端末機でカード払いができること。且つ、参列できない方はネット上で香典のカード決済ができる仕組みもあり。そこまで合理化するか?あまりにドライな世界との印象だったが、一方で、日本でも特に都会では、いずれはこういう時代が訪れるのだろうとの思いにも至った。ベンチャーなどが着目すれば意外と近い将来上陸するかもしれない。実際に、私自身も参列者に立て替えを依頼するケースは少なくない。

続く。次回、病院とヘイリ芸術村の視察結果をご報告して、今回のシリーズは閉じたいと思います。

他にも図書館や公営のパジュ英語村も訪問、一般民間人の自宅にお邪魔して実際の電子的な行政サービス手続きも見せていただいたりしましたが、割愛させていただきます。

北朝鮮との国境までは行きましたが、予定していたDMZ(Demilitarized Zone)入りを、北朝鮮要人のピョンチャンオリンピック閉会式出席に抗議するデモと座り込みのために断念せざるを得ないという貴重な経験もしました。講師の友人らとの会食における話題なども触れたいですが、別の機会に譲ることとします。