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先日、東洋大院の講義にて、内閣府地方創生推進事務局の黒田内閣審議官よりお話を伺う機会に恵まれました。地方創生の最前線で旗振り役としてご活躍いただいている同氏、教科書的な話よりも、地方の現場での肌感覚に基づく話が多く、参考になりました。質疑応答を含めあっと言う間の1時間半でした。
以下、講義のポイントをお伝えしつつ、地方創生関係交付金の交付対象事業の事例をご紹介します。
“地方創生”の目指すところ
地方創生の目指すところが変化した。2015年から2019年までの第1期は、東京一極集中と地方の人口減少に歯止めをかけ、地方の経済成長力を確保することを目指すもので、“移住”が焦点だった。
2020年の改訂版では、地方への移住・定着を引き続き目指しつつ、“関係人口”の増加、すなわち地方とつながりがある人を創り出し、拡大させることに注力する方向になった。さらに、“企業版のふるさと納税”を拡充し、かかわりのある人すべてが地方創生の主人公になる展開を目標像に描いています。
デジタル田園都市国家構想
地方創生を具現化するための構想のひとつが“デジタル田園都市構想”。デジタルの力を活用して地域の課題を解決し、すべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを目指すもの。具体的には、地方に仕事とひとの流れをつくるために、インフラ整備と人材育成に注力する方針。
デジタル田園都市国家構想推進交付金
その目標を実現するために用意されているのが、昨年の補正予算で200億円が確保された“デジタル田園都市国家構想推進交付金”。
政府としては、1,000の自治体がデジタルの実装に取り組むことを目標に掲げる中、400の自治体の700件が採択された。講師曰く、『不採択はほとんどなかった』とのこと。
補助率は中身によって1/2~3/4、上限も様々。いくつか事例を挙げると、
① 豊岡市「すべての市民のための窓口サービスデザイン事業」
デジタルに不慣れな人にもデジタル技術を活かしたサービスが提供てきるようになるために、手続きガイドの導入、手続きを説明するPCの整備、窓口にタブレット配置などを一体として推進する事業。補助額4,100万円。
② 愛媛県上島町「遠隔合同授業」
複数の小学校合同によるオンライン授業を実施するための環境整備。265万円。
③ 小田原市「ワイヤレスセンサー等を用いた住民参加型警戒・避難システム導入事業」
災害リスクに対応し、河川や海に設置したセンサーからの情報や、市民からの通報情報を集約して、市民に適宜適切な情報を提供するための通信環境整備。9,700万円。
これら以外にもスマートスピーカーを利用した介護予防サービス(河内長野市)や、テレワークロボットを活用した障がい者就労支援(長崎市)なども紹介されました。
県西地域では?
いずれも開成町や足柄地域において検討、導入可能なものばかりだと思います。全国的に共通の課題が多いことから、当然と言えば当然でしょう。
特に小田原市の河川へのセンサー設置と情報収集などは同じ酒匂川水系でもあり、共同で進められれば?!と思わなくもありません。行政の世界ではそんなことあり得ない、のかも知れませんが、世の中どんどん変わっています。
因みに県西地域の自治体では、小田原市が3件・2.1億円、秦野市が5件・3,700万円、大井町が1件・100万円の事業が採択されていました。
そして、時に“交付金や補助金頼み”をネガティブに捉える声も少なくありませんが、交付金や補助金が途絶えたら、事業自体も立ち行かなくなるような事業は当然不可ですが、もともと国の方針に沿うものであり、その自治体にニーズがある場合は、積極的に行く姿勢が大事だと考えます。
我が町の場合、その点物足りなさを感じます。企業版ふるさと納税も含め、現行の制度を貪欲に最大限活用する意気込みが欲しいところです。
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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