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116位。調査対象146カ国における日本のジェンダーギャップ指数のランキングです。男女平等の度合いを示すもので、先日、シンクタンク“世界経済フォーラム”が今年2022年の結果を公表しました。
そのランキングが低いことは既に広く認知されていると思われます。東アジアやG7の中でも最下位です。ただ、116位と順位が低いこともさることながら、順位が改善していないことの方が深刻な問題なのかもしれません。
課題として認識され、各方面で対策が講じられているにもかかわらず、3年前の120位、昨年の121位から横ばいです。“日本も取り組んでいるが、他国も同程度か日本以上に取り組みを加速させている”という一面も、韓国などの事例を見ると、あるようです。
政治139位、経済121位
分野別で見ると、政治139位、経済121位、教育1位、健康63位となっています。教育分野が1位でありながら総合で116位であることは、女性議員・閣僚が少ない政治分野と、収入の格差などに因り経済の分野で大きく立ち遅れていることが主因と言えます。
参院選では過去最多の女性当選者
一方で、過日の参院選では女性の当選者が35人と過去最多となりました。国会議員全体の女性比率は15%にとどまり、全国の市区議会議員における比率も17%程度ではあるものの、“2025年までに、衆院選、参院選、統一地方選における女性候補者の比率を35%まで上げる”という国の目標(2021年 第5次男女共同参画基本計画)の達成に向けて、着実な前進と評価しましょう。
いったん、話は逸れますが、先日、藻谷浩介氏の言葉(※1)を聞いて以来、自分も物事を否定的に捉えがちであることに気づかされました。勿論、それが正しいこともあるでしょうが、まずは“事実を直視し、冷静に分析するよう”努めます。女性候補者の比率の目標も、“達成は無理だ!”と片付けてしまえばそれまでです。
※1:『日本人の9割以上は、不安を強く感じ、未来を悲観する傾向を、遺伝的に持つという』、『 私も、あなたも、とかく日本人は、① 否定的な気分で話しがち、② うまくいっても成果を否定しがち、③ たまに反動で、過度の楽観に走る』、『等身大の事実を認識できず、「8割卑屈、2割傲慢」でブレ続ける。』
指導的立場の女性の15%
さて、本題に戻って、経済の方ですが、政府は長年にわたって“2020年までに、指導的立場の女性を30%に”との目標を掲げてきましたが、令和2年時点で15%弱とこちらも未達のままです。しかも、上記の第5次男女共同参画基本計画においては、“2020年代のできるだけ早期に30%程度になるよう目指して取り組む”と明確な数値目標と位置付けない、弱めの表現となり、諦めムードすら感じられます。
女性議員に関しては、“候補者”の比率35%が目標であるのに対して、女性管理職の比率目標は、実際の就業者全体に占める女性の割合が44%である事実に対する30%です。本来は“44%”であるとの主張もあるでしょうが、30%は国際比較的にも妥当な水準だと思われますが、いったん断念の感です。
日本の“カイシャ”は、終身雇用や年功序列は崩壊しつつあるとされるものの、数字は“まだまだオトコシャカイであること”を示しています。どれだけグローバル化が進んでも、戦後の高度経済成長を支えたシステムは、成功体験の名残りもあり、そうそう簡単には変わらない、もう少し時間を要するということでしょうか。
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