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3年ぶりに開催された開成町の最大イベント”あじさいまつり”が閉幕しました。開催にご尽力いただいた方々、大変お疲れ様でした。お越しいただいた方々、ありがとうございました!また、来年が楽しみになりました!
さて、話は変わって、出生率低下の件です。
出生率低下
6月3日、厚労省より2021年の合同特殊出生率(※1)が発表されました。6年連続の低下となる1.30人でした。2005年に記録した過去最低1.26に迫る低水準で、底割れが懸念されています。
※1:1人の女性が生涯に産む子どもの数。15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。
出生数も6年連続で減少し、過去最低を更新する81.2万人。出生数に直結する婚姻数も50.1万組と戦後最低を更新しました。
コロナ禍の影響も?と思われがちですが、日経新聞の記事によれば、アメリカやフランスでは出生率が改善するなど、必ずしもその影響とは言えなさそうです。
人口減少は問題か?
出生率の低下や出生数の減少は、人口減少に直結つき、ネガティブな捉え方が大勢かと思います。経済規模や労働力を維持するため、社会保障制度などを維持するため、地域社会を維持するため等々、これまでの仕組みを維持するためには確かに人口減少はネガティブです。
ただ、つい50年前の1970年代にはエネルギーや食糧などの問題から人口が多過ぎるとされており、さらに遡れば、南米や米国などへの移住のひとつの理由は人口増加にあったと理解しています。よって、人口増加、右肩上がりを前提とした仕組み自体が問題であって、ピークを基準にして減少をことさらマイナス視するのは適切ではないと思います。
いずれにせよ、仮に出生率が急上昇しても、最低向こう20~30年間は人口が減り続けるのは確実です。国としてもコンパクトシティ構想などを掲げ対策を講じていますが、我々もそれぞれの立場でこの現実を直視することが大事だと思います。
私は人口減少をネガティブ視し続けるよりは、それを受け入れ、それに応じた社会づくりの方が望ましいと考えます。とは言え、国として、出生率を引き上げ、人口減少に歯止めをかけることを本気で目指すのであれば、それこそ非常に多くの分野での積極的な取り組みが不可欠な状況ですが、婚姻制度や移民制度に抜本的な見直しがない限りはその実現は容易でないと思います。
課題先進国としての韓国
記事では、要因として不妊治療への支援不足、育休の取得率の低さ、女性の家事負担の重さや男女間の賃金格差などについて採り上げていました。すべて正しい指摘でしょう。ただ、ここでは敢えてその議論はせず、国外に目を転じてみます。
日本は世界に類を見ない急速な高齢化社会として、課題先進国です。日本がいかに対処するか、日本の対策の成否を世界が注目しています。
少子化の課題先進国は韓国です。2021年の出生率は0.81、過去最低水準を更新中です。OECD加盟38国で唯一“1”を下回っています。
朝日新聞の記事などで要因として挙げられているのは、
① 非正規職が多いことによる雇用不安、
② 首都一極集中などに因る住宅費の負担の重さ
③ 厳しい競争社会の中での教育費の負担の重さ
④ 子育ては母親が行うという文化が残り、女性が結婚を避ける傾向があること
などです。
微妙な差はあるものの、内容的には概ね日本と同様と言えそうです。唯一1を割れている特別な原因があるのでは?と期待しましたが、残念ながら新たな発見はありませんでした。
韓国政府の対策も目に見えた効果はまだ見えず、1割れは4年連続です。
貧困率
話は若干逸れますが、韓国と日本の共通点はこの出生率が低いこと以外に、相対的貧困率が高いことが挙げられます。
2018-19年基準で、日本はG7で2番目に高い15.7%(1位はアメリカ17.8%)ですが、韓国は16.7%、OECD加盟国中4番目に高い水準です。
明確な因果関係まで検証はしていませんが、前述の4つの要因が概ね共通していること、特に①と②と無関係とも思えません。課題克服に向けて、相互に政策の効果などのデータを共有し、情報交換することも大事にだと思います。
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先見と行動山神 ゆたか
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