日本は１１６位/１４６カ国中その２/２

１１６位。調査対象１４６カ国における日本のジェンダーギャップ指数のランキングです。男女平等の度合いを示すもので、先日、シンクタンク“世界経済フォーラム”が今年の結果を公表しました。

分野別で見ると、政治１３９位、経済１２１位、教育１位、健康６３位となっています。教育分野が１位でありながら総合で１１６位であることは、女性議員・閣僚が少ない政治分野と、収入の格差などに因り経済の分野で大きく立ち遅れていることが主因と言えます。

あらためていろいろ“データ”をチェックしてみました。

神奈川県市町村の女性管理職の割合

東京新聞が昨年６月、２０２１年４月時点の神奈川県市町村の女性管理職の割合について報じていました。（記事のリンクはこちら）

２０１５年と比較した増減にも触れていますが、２０２１年の実際の数値は、中井町の０％から茅ヶ崎市と海老名市の２７％まで幅がありました。いずれにせよ、目標だった３０％を達成している自治体はありませんでした。

特に小規模自治体では、“そもそも女性職員が少ない≒比率が非常に低い”といった事情も影響している模様でした。

近年の地方公務員の採用に占める女性の割合は４０％前後とされており（２０１９年３月総務省資料：都道府県３７.７％、政令市４１.６％）、時間の経過とともに、女性の幹部候補生の数自体が増えることによって、状況が変わる可能性もありそうです。

ただ、逆に言えば、当面の間は、中途採用の活発化でもなければ、女性の管理職が一気に大きく増えることもないのかもしれません。

因みに、足柄上郡は、松田町は２０１５年時点ではゼロでしたが、１８％まで増え、比率が最も高いです。開成町、山北町、大井町がいずれも７％、中井町は前述の通り０％です。小田原市は１０％、南足柄市は１８％となっています。

女性の比率引き上げのためには

“女性だから”という理由だけで管理職につけるわけにもいかず、資質を伴っていることが必須だとは思いますが、そう言っているうちは状況が変わらないでしょう。

一方で、クォータ制（一般に、人種や性別、宗教などを基準に一定の比率で人数を割り当てる制度のこと）は、海外では違憲判決が下されたこともあるなど（“平等の条件の下の公職就任について性別は無関係である”、との解釈など）、その実現への道筋は言うほど簡単ではなさそうです。

また、（男女問わず、）管理職就任を目指さない風潮がじわり強まっていることも懸念されています。ただ、自治体によっては、筆記試験だけでなく、推薦制度を設けるなどの工夫によって、チャレンジを促している事例もあります。要は本気でそこを目指すのかどうかを明確にし、目指すのであれば、この事例のように相応の打開策を図るべきでしょう。

内閣府による“見える化”

内閣府の男女共同参画局が様々なデータを“見える化”しています！（リンクはこちら）
サイト上で公開されているデータをいくつかご紹介して、閉めたいと思います。

”企業における「見える化」“

業種別で、女性役員の比率の上位３社が公表されています。（リンクはこちら）

勿論、会社四季報等々で上場企業の個別情報は公開されていますが、”国が一覧で公表していること“のインパクトは大きいでしょう。就活に際しても、特に女性にとっては、この数字によって企業イメージも相当変わってくると思われます。

“市区町村女性参画状況見える化マップ” （リンクはこちら）

国や地方公共団体における女性の参画状況が見える化されています。（数値はすべて２０２１年度）

市区町村議会議員における女性の割合

・全国平均１７.４％
・１位．江別市、東村山市４８.０％、３位．清瀬市４７.４％
・足柄上郡は高い順に、山北町３５.７％、松田町２５.０％、大井町２１.４％、開成町・中井町１６.７％です。（南足柄市２５.０％、小田原市２２.２％）

公務員係長相当職に占める女性の割合

・全国平均３４.９％
・１位．黒部市７６.５％、２位．加賀市７０.２％、３位．弥冨市６９.８％
・足柄上郡は高い順に、中井町４４.４％、大井町４０.５％、松田町３８.５％、山北町３６.４％、開成町３５.７％です。（南足柄市４７.８％、小田原市１９.１％）

各町の事情は異なるため、数字がすべてではありませんが、開成町はいずれも低いです。