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サムライブルー、惜しかった。ドイツに勝っていながら・・・、というのはありますが、これが勝負の世界ですね、難しい。スペイン戦!応援しましょう!
さて、過日、オンラインセミナー「地方創生~PPP手法によるまちづくり~」(主催:地域活性学会)を視聴しました。東洋大院でお世話になった根本教授と関客員教授が講師を務めるとあっては参加しないという選択肢はありません。
根本教授は、公共施設マネジメントの先進自治体である神奈川県秦野市が、2010年に発足した“公共施設再配置計画検討委員会”の委員長などを歴任、インフラ老朽化問題の研究&実務家の第一人者。
昨年秋季に受講して以来、お話を伺うのは久々でしたが、同問題の深刻さをあらためて突きつけられた格好です。
因みに、秦野市ですが、総務省が全国の自治体に“公共施設等総合計画”の策定を要請したのが2014年であったことを踏まえると、同市の動きが全国的にも極めて先駆的であったことがわかります。先進自治体と称される所以です。
すべてのインフラ更新は困難
先に結論を申し上げると、根本教授の指摘は、
“橋や道路、トンネルなどのインフラをすべて更新するお金はない”、
“維持すべき施設の優先順位をつけることが必要”、
“官民連携によって、費用を抑えながら質を維持できる可能性や、費用を削減して量を維持できる可能性はある”ということでした。
インフラ老朽化問題への対応シナリオ
講義内容を要約してみます。まず、インフラ老朽化問題を直視すると、現実的にどのような対応が考えられるか?
① 放置すると ⇒ 物理的に崩壊する(橋が落ち、トンネルは崩落)。大学院の講義でも、“地震等で崩壊した場合も、実態は老朽化が主因”との主張を繰り返されたことを思い出しました。
② 借金で財源を賄い、すべて更新、量を維持する ⇒ 財政的破綻の恐れあり。
③ 増税して財源を賄い、すべてを更新、量を維持する ⇒ 合意の形成が不可欠。
④ 官民連携によって、費用を抑えながら、質を維持できる可能性はある。
具体的には、他の自治体との共同設置などの広域化、民営化や民間施設の利用、共用化、多機能化など。
もしくは、費用を削減して量を維持できる可能性もある。
具体的には、予防保全や長寿命化・短寿命化、そして重要度に応じて管理水準を変える“リスク・ベース・マネジメント”などの手法。
となります。
増税?借金?
試算では、我が国のすべての公共施設・インフラを維持・更新するために必要なお金は年間12.9兆円(学校や公営住宅、行政施設などの公共施設:6.3兆円、橋や道路、上下水道などインフラ:6.6兆円)。
12.9兆円を消費増税で賄う場合、“4%の増税”が必要。しかも、その4%分をすべて維持・更新費用に充てる前提。現実的にはあり得ない。
借金に関しても、我が国の債務対GDP比率は262%(2022年)と、先進国中ダントツで最悪であることは周知の事実。余力が乏しいと言わざるをえず。
米国は125%、独は71%。大型減税計画が財政悪化を招くとの批判から、首相が僅か45日間で辞任に追い込まれた英国は88%です。。。
日本は個人の貯蓄が沢山あり、破綻したギリシャなどが海外からの借入が多かったのとは対照的に、国内での調達が多いから大丈夫との声があるが、状況が変わってきている。政府の一般債務残高(国の債務+地方の債務)に対する個人の金融資産の比率は、1990年代には35%だったが、現在73%まで上昇。最早大丈夫とは言えない。
高度経済成長期に投資が集中
財源の問題以外に、インフラ施設の建設が高度経済成長期に過度に集中したことも問題を一層深刻なものにしている。
橋を例に挙げると、1970年代に平均して年間1万本程度が集中して建設された。50年が経過していることから、更新の必要があるが、近年の予算を基に試算すると、年間1千本しか更新できない。
今回はこのあたりとさせていただきます。インフラ老朽化に対して官民連携で取り組まれている実例をご紹介させていただいた後、開成町の状況をお伝えします。
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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