「財政黒字化 25年度に」、5月2日付日経新聞が一面で報じております。記事によれば、「政府は2019年度以降の財政健全化計画で、国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化する目標時期を25年度とする検討にはいった」とのこと。
あまり明るいネタではなく、子どもの日としては相応しくないですね。
巡り合せ上、お許しください、すみません。
2010年に掲げた”2020年に黒字化”との目標は昨年12月に断念。今年1月、内閣府は2027年に黒字化との試算結果を公表していたが、結局2025年で決着しそう。
しかしながら、潜在成長率が1%前後とされる国で、2020年以降平均3%超の名目成長率を前提としており、成長頼みであることのリスクは小さくない。前提条件は”堅め”であることが鉄則と学んだが・・・。
仮に黒字化しても利払い分(30年度予算では9兆円)を吸収できなければ借金は増え続ける。
消費増税の効果(引き上げ幅1%あたり2~4兆円程度との試算が一般的でしょうか)が期待されるところであるが、使途の見直し等により社会保障に充当される国費の削減を通じた財政健全化がどの程度進むか覚束ない。
市場金利が上昇すれば当然利払い負担は増える(債務残高 約1,100兆円、国債の平均残存期間 8.7年)。
何が言いたいか。財政健全化のために必要な施策に関する私見は別の機会に譲るとして、今更危機感をいたずらに煽るつもりもなく、縮み志向に陥るつもりもないが、この国家財政の危機的状況が地方の基礎自治体の財政に影響を及ぼさないはずはないということである。
地方交付税が増えると考えるのは最早非現実的であり、社会保障関連を中心に基礎自治体や国民の負担が増えざるを得ないと考えるのが妥当だろう。一例を示せば、地域包括ケアシステムなど住民主導での活動や、健康寿命の伸長への取り組みなど国家財政にできるだけ依存しない仕組みつくりに一層注力すべき環境と考えられる。