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5月27日(日)、「The Shelter Management 避難所運営を学ぶ」(主催:東京大学生産技術研究所付属 災害対策トレーニングセンター。@東大駒場リサーチキャンパス)に参加してきました。

平成30年7月西日本豪雨にて洪水被害が発生した倉敷市真備地区にて、自らも被災者・避難者として、実際に避難所運営に携わった住民の方から避難所の実態や課題についてお話を伺いました。

私も被災2年後に、熊本県人吉市でのボランティア活動に車で向かう途中、被災現場を見てきましたが、“避難所”における実際の経験に基づくお話は重く、説得力が違います。『実際の避難所はあるべき姿のすべてが逆だった』とのことばに、事前の備え・シミュレーションがいかに重要であるかを思い知らされました。

避難所の実態

具体的に、
まず、被災したご自宅で経験した予期せぬこととして、家じゅうで黒カビが発生したことを挙げられました。その後奥様の体調が悪化した一因ではないか、とのことでした。

避難所においては、
① 指定の避難所は最寄りの小学校、定員は170名とされていたが、実際には約2,000人が避難。教室もフル活用、校庭に駐車した車の中で過ごす人も多数。

② “避難所自治会“を組成、役割分担を図った。市役所職員がリーダーとの決めだったが、常にいるわけでもなく、機能しなかった。避難者自身がリーダーシップを発揮する必要がある、との経験談でした。

③ ペット連れも多数。ひとつの教室を専用にして棲み分けを図った。

④ 玄関には、下足と上履きが秩序なく置かれ、体育館内も汚れた。

⑤ とにかく、感染症対策を徹底した。結果、病気になる人は極僅か、成果はあった。
以下、時系列で、

⑥ 被災発生の翌日、まず、避難者のリストを作成した。

⑦ 被災3日後、自衛隊による給水開始。自衛隊によれば、準備はできており、より早期の出動可能だったが、“指示”を待っていたとのこと。

⑧ 被災4日後、体育館にエアコン設置。とにかく暑さに参った、校舎を冷やすために、屋上から散水した、とのこと。

⑨ 被災5日後、テレビや分別用ごみ箱を設置。避難生活長期化に向けて環境の改善が図られ始めた。

⑩ 被災6日後、炊き出し開始。おにぎりやお弁当ばかりの生活が続いていたこともあり、避難者以外も殺到する。提供いただくボランティア団体等にSNSでの発信を止めてもらった。

民間事業者シャワールームが設置してくれた。こういう類の支援は行政には限界あり?民間の支援不可欠。

⑪ 被災7日後、「何でも相談室」を開設。

⑫ 被災9日後、パーティションを設置。これは失敗だった。プライベート空間を作ることが逆にトラブルを誘発(騒音の類に対する苦情と思われます)、けんかが増えた。低めの衝立で仕切った他の避難所では、トラブルが起きなかった。完全に仕切らず、顔の見えるくらいの関係の方がよい、との経験談。

⑬ その後、支援物資は置き場がなく、誠に心苦しいがそのまま引き返してもらった。市役所からは折角の善意だから受け取って欲しいと言われたが、置き場もなく、余るばかりで管理もできないと判断した。

とにかく、“情報”に対するニーズ・欲求が増す。回覧板を回したり、掲示板での情報共有に努めた。

立って勉強している中学生がいた。児童・生徒の勉強するスペースを用意した。

最後に、(有名人の)“慰問”は非常に嬉しく、有難かった、とのことでした。

まとめとして、『(当初は)理想とする避難所とはすべてが逆だった』とし、
① 不平等、不安全、不衛生だった
② プライバシーに固執し、“お互い様”の気持ちが乏しかった
③ 被災しているから、支援してもらうのは当たり前/支援されないと損、という意識が強かった
“自治”がとても大事!との結論でした。

経験に基づく貴重な生の声を伺いました。今後に活かします。

DMTC

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