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「必ず噴火します」。書籍「富士山噴火の衝撃!」(※)の冒頭の言葉です。衝撃的な書き出しです!
※「富士山噴火の衝撃!」: 制作協力=NHK「明日をまもるナビ」制作班。発行=(株)宝島社。2022年8月発行
前回は、開成町への溶岩流到達の可能性に関する話題に終始し、この本の内容まで到達しませんでした。
今回は、読み終わった後、私の考え方が少しだけですが変わった点、そして、開成町にも降ってくる可能性が高い“火山灰”に関して、私にとって新たな情報についてお届けします。
次に起きる噴火の規模
中規模(2億㎥)以上の噴火は過去5600年間で7度、800年に一度の確率です。1707年の宝永噴火以降、300年間以上噴火していないことから、現時点では、残り500年で一度の確率となります。
ただ、「必ず噴火します」の発言主である山梨県富士山科学研究所の藤井所長は、「(小規模噴火を含めれば)30年に一度噴火していた火山が300年間も噴火していない。この間にマグマが蓄えられ、次の噴火はその分大きくなる可能性がある」としていました。
なるほど、おっしゃる通りです。開成町に溶岩流が到達する確率に関しては、想定される最大規模(13億㎥)でシミュレーションされているため、ここ300年間噴火していないことによる影響はない(はず)です。ただ、“次の噴火が大きくなる可能性は年々高まっていること”は確かなのでしょう。
ただ、降灰に関しては、”いつ起きてもおかしくない”、しかも、”歴史的に少なくない量が降るかもしれない”、と自らの考えを若干改めました。その降灰ですが、この書籍から新たな情報を得ることができました。
灰が降るとどうなる?体育館は危険!
降灰に関して、これまでも講演会や書籍から十分な情報を得たつもりでいましたが、やはり奥が深い、まだまだ勉強不足でした。
※尚、昨年の富士山ハザードマップの改定においては、降灰に関するシミュレーションは更新されませんでした。
火山灰は必ず東方向へ
火山灰が降るかどうかは風向き次第だと思い込んでいました。しかし、「日本の上空1万m近くでは常に西風が吹いているため(ジェット気流)、火山灰は(噴火の規模にもよるが)必ず東方向に流され、降る」ということでした。
体育館は危険
灰が重いということは以前学びました。1㎥でみると、雪は100㎏であるのに対して灰は1トン!屋根に30㎝積もると家が潰れる恐れがあると。
藤井氏は、大概避難所に指定されている体育館は危険と警鐘を鳴らしていました。「体育館には柱がない。豪雪地以外は、屋根に物が載ることを想定していない建築基準となっている。10㎝以下でも屋根が落ちる事態は起こり得る」とかなり具体的な数字も挙げていました。
より多くの専門家の声や情報を収集する必要はあるでしょうが、当然のことながら、聞き捨てならない忠告です。
噴火すると大抵雨が降る
科学的なことは分かりませんが、とにかく、噴火すると様々な粒子が上空に舞い上がり、それが中核になって雨を降らせる、とのことです。
水に濡れて乾くと固まる
やっかいなのはこの点です。地面に水がしみ込まなくなり、山などでは土石流が発生する恐れがある、とのこと。
また、細かい粒子ほど固まり易い、要は遠くで積もった灰ほど固まり易い、とのこと。
いずれにせよ、灰は絶対に下水道などに捨ててはならないということになります。鹿児島県桜島では「克灰袋」という専用の袋に灰を入れ、近所の集積所に集めるとのことです。
※「克灰袋」についてはこちらの鹿児島市のHPをご参照ください。
水に濡れると電気を通す
結論から先に言うと、この性質により、大規模な停電が起きる可能性があるとのことです。電柱に積もって、濡れると、碍子(絶縁体)が機能しなくなり、漏電が起きるというのがその根拠です。
火力発電も止まる?!
火山灰が東京湾まで到達した場合、多数設置されている火力発電所が止まる事態も想定される、とのこと。大量の空気を吸い込むフィルターに火山灰が詰まってしまうためです。
これら以外にも、自動車の走行可能性や必要とされる備蓄品、浄水場への影響などまだまだ情報満載でしたが、このあたりまでとさせていただきます。
富士山の噴火。様々な方面に、想像以上に甚大な影響が及ぶ可能性があるということを突きつけられました。特に東名高速や東海道新幹線といった日本の大動脈、首都東京に被害が及ぶと打撃はけた違いになりそうです。
やはり自然災害は恐ろしい。無力感にさいなまれますが、命を失わないよう、できる備えをしていきます!
#聞きます #やります #やり遂げます
先見と行動山神 ゆたか
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